苦手な営業を克服するコツ 士業の営業練習法
「士業の独立を成功させるには、”営業力”が必須!」
とはよく聞く話です。でも、士業の先生で、これまで営業を専門にやってきた方なんて、ほとんどいません。「営業」や「商談」が苦手という先生の方が、圧倒的に多いのではないでしょうか? 実際、私もそうでした。
そして、非常に困りました。士業だと、実はそもそも営業や商談の数は多くありません。むしろ少ないんです。「じゃあ、営業力なんてなくてもいいんじゃない?」と考えてしまうところですが、そんなことはありません。「営業」や「商談」を、成約に結びつける「営業力」は、士業の独立成功のため絶対あった方が良いです。
士業にとって「営業」や「商談」の場は少ない。少ないから実践で学べない。だからこそ「営業力」は、練習して身に着ける必要があります。
私も最初は「営業力なんてなくても何とかなる」と思っていたのですが、本当に苦労しました。そこであわてて、苦手を克服するため、営業の練習に取り組みました。結果、今では営業がとても得意です。
そこでこの記事では、営業が苦手な先生、人見知りな先生のため、「営業力」を身に着けられる効果的な営業練習方法をご紹介します!
まずは、トークシナリオを準備しよう!
営業や商談に慣れるまで、もしくは苦手意識をなくすまでは、「トークシナリオ」を準備するのがおすすめです。
営業や商談で話せなくなってしまうのは、大抵の場合、「何を」「どういう順番で」話せばいいのか、分からなくなってしまうから。
「何を話そう」
「どう話そう」
と迷うことが、苦手意識の根本原因です。何も話が思いつかず、沈黙の時間ができてしまうのは、仕事でなくても居心地が悪いですよね。
「トークシナリオ」さえあれば、話すことに悩んだり、迷ったりせずに済みます。学生時代、受験の面接練習をしたと思いますが、それを想像してもらえればと思います。あらかじめ想定される質問や、それに対する回答を用意して、「何も喋れない」状態がないよう対策しなかったでしょうか?
営業や商談のトークシナリオも似たようなものです。どこまでシナリオを細かくするかは好みにもよりますが、そこまで細かくする必要はありません。商談の流れと、各パートで何を話すか、事前に想定しておくだけでだいぶ違います。
1つのトークシナリオをテンプレート化して、使い回す!
たとえば、私が実際に使っていた、「相手の会社に訪問」する場合のトークシナリオは、こうです。
- あいさつ
- 社員さんの話、もしくは駐車場についての雑談
- 相手からの問い合わせ内容や今回の内容についての確認
- ヒアリング
- 共感
- 提案
- 次回のアポイント
- 会社までどうやってきてますか、などの雑談
この流れをテンプレートとして、訪問先によって、各パートでアレンジする方法をとっていました。雑談もテンプレートに組み込めば、予想外の展開を避けられます。
心配なうちは、もっと細かく話すセリフまで決めても良いですが、それをするとそのセリフが飛んでしまったとき、どうしようもなくなってしまうかも……。臨機応変に対応できるよう、テンプレートは、ある程度遊びを持たせて設定するのがおすすめです。
声を出して、ロールプレイングをしよう!
面接練習をしたときもそうだったと思うのですが、頭の中でシミュレーションするだけでは不十分。実際に声を出して練習するのが大切です。
実際に話してみると、いくらトークシナリオを決めていても、思い通りに話せないことはよくあります。
なぜなら、士業の先生は、自分の考えを言語化するときに、頭の中ではまず「書き言葉」や「文語」になるからです。全員が全員そうというわけではありませんが、私の経験的な話から言うと、とても多いです。
最初から話し言葉が頭に浮かんでいればそれをそのまま話すだけで済むのですが、書き言葉が浮かんでいる場合は、話し言葉に変換して声に出さなくてはいけません。それもあって、営業や商談が苦手な先生が多いのでしょう。
職業柄、話し言葉を意識してしまうのは仕方がないことです。大事なのは、頭に浮かんだ言葉を「話し言葉」
に変換する練習をすること!
ぜひ「自分の考えを、声に出して伝えてみる」練習をしてみてください。
自分のロールプレイを振り返ろう!
何事もやりっぱなしではいけません。振り返りと改善が大切! それがなければ成長できません。
そこで、ロールプレイした姿をビデオカメラでとってみることをおすすめします。
そのビデオカメラを見てみると、ロールプレイしていたときには分からなかった、色々なことに気づけると思います。
まず気になるのは「声」、次に「声のトーン」。
録音した自分の声は聞きなれないので、当然、違和感はあります。でも、チェックするのはそこではありません。
「相手に安心感を与えるような話し方ができているか」
チェックするポイントは、ここです。
- はっきり大きな声で話せていますか?
- 声が震えていませんか?
- 話の途中で詰まっていませんか?
- 「えー」、「あー」など、同じ言葉を何度もはさんでいませんか?
- 早口になり過ぎていませんか?
など、確認してみてください。自信のある声やトーンは、説得力があります。自然と信頼感も高まります。声ひとつで、相手に与える印象は大きく変わるので、意識して改善しましょう。
自分の「しぐさ」や「表情」を、身の回りの人にチェックしてもらおう!
「見た目」「しぐさ」も、その人の印象を決める、重要な要因です。
『人は見た目が9割』という本がありますが、やはり第一印象は大切です。服装や見出しなみに気を付けるのは、それほど大変ではないはず。問題なのは、「しぐさ」や「表情」です。
これについては、自分自身ではなかなか気づけません。自分にどんな癖があるか、把握している人は少ないと思います。そこで身の回りの人に「しぐさ」や「表情」をチェックしてもらうのがおすすめ。
撮ったビデオを見てもらうのもよし、模擬営業・商談をするのもよし、です。
このとき、話の内容ではなく、商談しているときの話し方や表情、しぐさが、相手に「どう見えるか」を聞いてみてください。
たとえば私の場合、「揺れている」「手の動きがオーバーすぎる」「目線が良くない」などなど、相当へこむようなことも言われました……。なかには人格否定になりかねないことも。
でもここは、成功するために必要な壁です! 乗り越えれば「営業力」が身につくはず!
傷つくのを恐れず、きちんと指摘をもらうようにしましょう。身の回りの人が気づくということは、見知らぬ第三者はもっと「気になる」と考えておいた方が良いです。
この記事のまとめ
- 苦手な営業を克服するのが勝ち!
- まずはトークシナリオを決めよう
- 声を出して、ロールプレイをしよう
- ビデオにとって、「声のトーン」「話し方」を確認しよう
- 「しぐさ」「表情」「クセ」は、身の回りの人に、厳しくチェックしてもらおう!