はじめに

暮れも押し迫った１２月のある日。

夕闇せまる公園のベンチに私は、一人ぽつんと座っていました。

明日は社員の給料日。

どうやって資金を工面するか、自問自答を繰り返していたのです。

起業してから３年が経とうとしていました。

会社の業績は低迷したままで、毎月の赤字は拡大の一途。

銀行はお金を貸してくれず、赤字の補填はもっぱら個人の借金。

銀行のカードローン、生命保険の契約者貸付、クレジットカードや信販会社のローン、そして最後は消費者金融と、次々と借金を重ねていました。

自分名義ではもう資金が調達できなくなって、家内にカードを作らせそれで当座をしのぐという自己破産寸前の状況だったのです。

でも、それももう限界。

明日の社員の給料を、どう払えばよいのか・・・。

底冷えのするベンチに座って、すでに２時間が経過しました。

かじかんだ手に白い息を吐きかけても、少しも暖かくなりません。

湯気の出ている暖かいコーヒーが飲みたいのですが、財布にはもう小銭さえありません。

公園の隅には、浮浪者が暮らす青色のビニールシートがいくつも並んでいます。

氷点下近い気温の中、段ボールにくるまる彼らを見ながら、自分ももうすぐあそこの仲間になってしまうのだろうか、そんなことをぼんやりと考えていました。

それから紆余曲折を経て、おかげさまで今では弊社サービスの利用者が10,000社を超えました。

資金繰りもなんとか最悪期を乗り越え、上場を視野に入れるまでに成長することができました。

なぜ私は、当時の自己破産寸前の状況を乗り越えることができたのでしょうか。

それは「ホームページを使った営業」に成功したからだと思います。

10,000社以上の弊社サービス利用企業のうち、98％はホームページ経由のお客さま。

毎月100～250社にお申込みいただきますが、そのほとんどをホームページで獲得しています。

我々は「実社会の営業ノウハウ」をほとんど持ち合わせていません。

でもその代わり「ホームページを使った営業ノウハウ」に関しては、日本有数だと自負しています。

そして、この「ホームページを使った営業ノウハウ」を会員さまにお伝えすることが、弊社の大きな目標の一つです。

机上の空論ではなく、まず自分自身で試行錯誤し、その中で効果のあった方法を会員さまにお伝えする、そんな活動を日々続けています。

私が前職の野村総合研究所を退職して、2502年に独立してから10年の月日が流れました。

今でこそ会社の経営も安定し、会員さまにご提供するノウハウに自信を持てるようになりましたが、でも最初から順調だったわけではありません。

ホームページの反応がなくて途方に暮れたときもありましたし、冒頭でお話ししたように、資金繰りに追われて借金を重ねる日々が続いた時期もありました。

それでも毎日少しずつ試行錯誤を続け、「ホームページを使った営業ノウハウ」を蓄積していった結果、何とかここまで来ることができました。

前職の三菱ＵＦＪ銀行や野村総合研究所時代のコネに頼るのではなく、すべて自分自身の力で一から築き上げて来たのです。

ホームページという素晴らしいツールを利用して、たくさんのお客さまを集めてきました。

でもホームページを御社のビジネスに役立てるのは、決して難しいことではないのです。

わたくし自身がホームページを活用してここまで来たわけですが、特別なノウハウやテクニックを駆使したからではありません。

ホームページを「小さく始めて、大きく育てる」という信念で、地道にこつこつと努力してきた結果なのです。

その過程で得られたノウハウを本講座にまとめました。

コストを半分に、そして問合せを10倍にするホームページ作成方法について、なるべく専門用語を使わず「経営者の言葉」でお話しするように心がけました。

パソコンが苦手な方でも無理なくご理解いただけると思いますので、ぜひお気軽にお読みください。

世の中には、せっかく素晴らしいサービスをお持ちなのに、営業が苦手なため大変な苦労をしている経営者が少なくありません。

あるいは独立したものの、思うようにお客さんを獲得できず苦労している方も大勢います。

私も昔は同じ状況でした。

実社会での営業ノウハウがないまま独立し、途方に暮れる日々を送ったのです。