そんなご相談をよく頂きます。
なぜ皆さんこうした失敗をしてしまうのでしょうか?
私の20年近くの経験をふまえて申し上げると、せっかく作ったホームページが役に立たない一番の原因は、制作会社選びに失敗しているから。
あなたのホームページがビジネスの役に立つかどうかは、9割以上、作成会社のスキルに依存します。あなたのホームページの成果は、制作会社次第なのです。
ホームページの成果を大きく左右する「ホームページ作成会社」の実態と、業者選定のポイントについてお話ししたいと思います。
ホームページ制作会社の特徴
ホームページ作成会社の担当者のことを、業界では「WEBデザイナー」とか「WEBクリエイター」と呼びます。
彼らの仕事はおしゃれなホームページを作ること。そのためにデザインの専門学校に通い、技術を習得してきました。ですからおしゃれな格好いいホームページを作るのはお手のもので、きれいな写真を使った魅力的なホームページをいとも簡単に作ってくれます。
営業経験のないWEBデザイナー
ところが彼らは「デザイナー」であって、「営業マン」ではありません。
おしゃれなホームページは作れても、どうすればホームページでお客さんを集められるのかは知らないのです。
営業経験がありませんから、商売につながるホームページの作り方について、ほとんどノウハウを持っていません。
コミュニケーションが苦手なWEBデザイナー
しかも、ホームページ制作の仕事が急増したことに伴い、パソコンが得意な若者達が大挙して、この業界に職を求めました。
彼らの多くは、小さい頃からゲームをこよなく愛した世代であり、人とコミュニケーションを取ることよりも、パソコン相手に黙々と仕事をすることを好みます。
人とコミュニケーションをとるのが不得意で、お客さんと話すのが苦手なタイプの人が少なくありません。
自己満足のWEBデザイナー
そのため、お客さんの要望を細かく聞きながら、お客さんと一緒にホームページを作り上げよう、という気持ちがあまりありません。
お客さんが満足するホームページを作るというより、自分自身が格好いいと思う、ある意味「自己満足のホームページ」を作りたがる傾向があるのです。
経験不足のWEBデザイナー
その上、ホームページの需要が急増しているため、どこも人手不足。
新人デザイナーの教育が不充分なまま、現場に投入せざるをえない状況。その結果、レベル的に首をかしげるようなデザイナーも決して少なくありません。
WEBデザイナーの特徴を知っておくことが大切です
このように、営業経験のない商売を知らないデザイナー、もしくはゲームを愛しコミュニケーションが苦手な若い経験不足のデザイナーで溢れているのが、ホームページ制作会社の現実なのです。
ここで申し上げたかったのは、こうしたWEBデザイナー達の悪口を言うことではありません。
あなたがホームページ制作会社を選ぶ際には、こうしたデザイナー達と仕事をすることになるわけですから、事前にデザイナー達の特性をご理解いただきたかったのです。
こうしたデザイナーの特性を前提として、ホームページ制作会社とつきあっていただきたいと思います。
ホームページ制作会社の選び方
さてそれでは、以上のWEBデザイナーの特性を念頭に置いた上で、業者選定のポイントをお話ししましょう。
一般に、ホームページのできばえは、多分に制作会社の担当者のスキルやセンスに依存します。
優秀な担当者に「たまたま」依頼できれば、非常にコストパフォーマンスの良いホームページができますが、逆の場合は悲惨な目にあいます。
そして一番確実に良いホームページ制作会社を選ぶ方法は、知り合いから紹介してもらうことです。
でも周りにそうした知り合いがいない場合は、以下の観点で制作会社を判断してみてください。
ポイント【1】自社のお客さんをHPで開拓しているか
あなたがホームページを開設する目的は何でしょうか。
おそらく多くの方は、ホームページを活用してお客さんを集客したい、売上アップを図りたいとお考えのことと思います。
もしそうだったら、ホームページ制作会社を選ぶ最も大切なポイントは、彼らが「集客できるホームページのノウハウを持っているか」ということになります。
先ほどもお話ししたように、「おしゃれなホームページ」を作れる業者はたくさんいますが、「集客できるホームページ」を作れる業者は少数派。
そして「集客できるホームページ」のノウハウを持たない業者に作ってもらったホームページで、売上アップを図るのは至難の技です。
実は多くのホームページ制作会社は、ネットで集客していません。
新規のお客さんを集めるのは、ネットではなく、営業マンの営業力か、あるいは人づての紹介です。
もしかしたら、あなたのところにも「ホームページを作りませんか」という営業電話がかかってきたことがあるかもしれませんが、こうした電話営業で新規のお客さんを集めている制作会社が多いのです。
別に営業マンが電話営業するのが悪い、というわけではありません。
ただ自社のお客さんを集めるのに営業マンが電話営業している会社が、ネットでの集客法を知っているかは大いに疑問。
自社のお客さんをネットで集められないから、営業マンが電話営業しているわけですから。
それから既存顧客の紹介だけに頼っているところも要注意。
たしかに既存のお客さんの評価が高いので、新しいお客さんを紹介してくれるのだと思いますが、でもネットでの集客ノウハウを持っていたら、紹介だけに頼ったりはしません。
紹介による営業がほとんどという制作会社の場合、ホームページを使った営業ノウハウを持っていないと考えてよいと思います。
ネットを使った新規開拓が8割、既存顧客の紹介が2割、くらいというのが理想的な営業スタイルでしょう。
もしあなたが「ビジネスにつながるホームページ」を作りたいと思い、そのために「ネットをつかった集客ノウハウ」を持った制作会社を選びたいのであれば、制作会社にこう尋ねてみてください。
この質問に対して、
と自信を持って応えてくれたなら、その会社はきっと役に立つホームページを作ってくれると思います。
ポイント【2】
専門用語を使わず、経営者の言葉で説明してくれるか
WEBデザイナーというのは職人気質の人が多いため、お客さんと話すときに「専門用語」を多用しがちです。
またインターネットには詳しいものの、「ビジネス」に関する知識に乏しい人が多いため、「ビジネス用語」で話すことに慣れていません。
一方、あなたが満足できるホームページを業者に作ってもらうために、最も大切なことは「業者とのコミュニケーション」です。
ホームページ制作の過程においては、あなたの意見を業者に伝えながら、同時に「インターネットの専門家」としてホームページ制作会社から様々なアドバイスをもらうことになります。
あなたと業者とのコミュニケーションがうまくいかないと、あなたが望むようなホームページは決して完成しません。
先にお話したとおり、ホームページ制作会社で働くWEBデザイナーは人とコミュニケーションをとることが不得意で、チームで仕事をすることが苦手です。
またホームページデザインに対する「自分のこだわり」を大切にする傾向が強く、そのためお客さんから意見されるのを嫌う人が多いのです。
心の底でこんな風に考えているWEBデザイナーは少なくありません。
こうしたタイプの担当者にあなたがホームページ制作を依頼した場合、あなたはコミュニケーションを取るのに大変苦労します。
質問したり意見したりすることを、先方が嫌いますから、あなたは何となくその業者と話をするのが気が進まなくなってきます。
そして結果的に、あなたが思っていたのとは似ても似つかぬホームページが出来上がることになるのです。
またホームページを初めて制作する社長さんの場合、インターネットの専門家であるホームページ制作会社に、様々なアドバイスや提案を求めることになると思います。
ところが多くのWEBデザイナーは、経営者のITレベルにあわせて、「経営者にわかる言葉」で説明するのが苦手なため、なるべく説明を避けようとします。
また説明してくれたとしても、「技術的な専門用語」のオンパレードで、社長さんにはその言葉がよくわからずにチンプンカンプン、ということも少なくありません。
こんな事態にならないために、先方の担当者が社長さんのレベルに合わせて、専門用語を使わずに説明してくれるかどうかを契約前に確認しましょう。
また提案書やパンフレットがわかりやすく書かれているかもチェックしておきましょう。
たとえばパンフレットにこんな文言が書かれていたら、その業者は要注意です。
「我々はインターネットというサイバースペースで、御社のビジネスモデルの高度化に貢献したいと考えています。
次世代WEBテクノロジーを活用したコミュニケーションホームページこそが、御社に必要なのではないでしょうか」
耳慣れないカタカナ用語を並べているだけで、中身が何もない文書ですね。
契約前に「経営者にわかる言葉」で説明できない業者は、契約後も同じことの繰り返しです。
わけのわからない説明を行うか、まったく説明しないかのどちらかになりがちなのです。
ポイント【3】総額の費用を明示してくれるか
初めてホームページを作るときに分からないのが、ホームページ制作にどれくらいの費用がかかるのか、という点です。
制作会社のサイトをいくつか見てみると分かるのですが、多くの場合、ホームページ制作の費用を記載していません。
「詳しくはお問合せください」というところばかり。
そして問い合わせて費用を見積もってもらうと、こんな風に非常に細かく費用が設定されています。
項目 | 料金 |
---|---|
写真加工 | 2,000円~ |
ロゴ制作 | 18,000円~ |
ディレクション | 30,000円~ |
デザインカンプ | 50,000円~ |
ページ流し込み | 20,000円~ |
スクリプト設計 | 45,000円~ |
専門用語のオンパレードで、各項目が何を意味しているかちっともわからないですね。
またこの価格は「最低価格」ですから、実際にいくらかかるのか、これだけではわかりません。
もともとこの業界は、請負型の受注制作だったので、「かかっただけの費用を請求する」というやり方が主流でした。
「デザインの検討に時間がかかったから、請求額は○○万円」、「取り込んだ商品画像が△△枚で、1枚▲▲円として全部で○○万円」。
こんな感じで制作費用が請求されて来るのです。
イメージで言うと、一軒家を建てるときに、「柱を△本、釘を□本、塗料が△リットルだったので、○○万円払ってください」というような請求方法です。
制作会社にとっては、かかった費用をすべて請求できるため非常に便利な方法なのですが、発注側から見ると、一体いくらの費用がかかるのかわかりません。
請求書が送られてきて真っ青になる、というケースも少なくないのです。
ですから、ホームページ作成の申込みを行う前に、「総額でいくらかかるのか」について、きちんとした見積りをもらいましょう。
もちろん、あなたが作りたいホームページの規模や内容によって、制作費用は上下します。
また業者としては、「やってみないといくらかかるかわからない」という側面が多いのは事実です。
でも契約を取り交わす前に、「総額でいくらかかるのか」をお互い合意しておかないと、あなたが一方的にリスクを被ることになります。
業者の制作スキルが低いために必要となった追加費用であろうが、本当は制作する必要がなかったページを作った費用であろうが、すべての費用があなたに請求されるのです。
ぜひ「総額の制作費用」を明確に説明してくれる作成会社を選ぶようにしましょう。
ポイント【4】
更新作業をふくめて制作の進め方を具体的に明示してくれるか
ホームページ制作を業者にお願いする場合、誰しもよくわからないのが、「どんな風にホームページを作っていくのか」という点です。
多くの場合、初めてお願いするホームページでしょうから、仕事の進め方のイメージがわかないと思います。
契約を取り交わす前に、先方のホームページ制作会社が具体的な作業の進め方を、お客さんの立場に立ってわかりやすく説明してくれるかどうかチェックしましょう。
親切な業者なら、ホームページ制作のパンフレットの中に、こうした部分が明記されていますし、あるいは営業マンに納得いくまで説明してもらっても良いでしょう。
ホームページ制作の進め方が体系化されていない業者に限って、「お客様のニーズに合わせて、臨機応変に対応します」というような説明をします。
でもこのような進め方では、あとで思ってもいない費用が発生したり、全体のスケジュールが遅れたりしがちです。
体系化された「ホームページ制作プロセス」を持っているかが、優秀な業者であることの必須条件ですから、ぜひこの点についても確認しましょう。
またホームページというものは、作れば終わりという代物ではありません。
ホームページを開設してからが勝負の始まりで、継続的なコンテンツの追加・修正が発生します。
実店舗でも、売れ筋商品の見直しや、季節に合わせたセール、あるいは店内レイアウトの定期的な見直しをすることと思います。
ホームページも同じです。
最初に作ったコンテンツが大ヒットで、後は放っておいてもお客さんがどんどん買ってくれる、なんてことは100%ありません。
最初のコンテンツを元に、細かいチューニングを繰り返して、ページを改善していくことが必要。
そしてそのためには、少なくとも月に1回程度は、ホームページのコンテンツ(内容)の追加・修正を覚悟してください。
ここで問題になるのが、こうしたホームページコンテンツの追加修正に対して、あなたとホームページ制作会社が事前にどこまで意識あわせができているか、という点です。
この辺があやふやだと、ホームページの完成後にこんな会話が展開されます。
御社 | 「このホームページで、売上げはあがりますかね~」 |
---|---|
HP業者 | 「そんなのやってみないとわかりませんよ」 |
御社 | 「そりゃそうですけど・・・。ところで、ここはこうしてくれとお願いしたじゃないですか」 |
HP業者 | 「そんな話は聞いていませんよ」 |
御社 | 「それじゃ、せめてここだけは修正してくださいよ」 |
HP業者 | 「結構ですが、追加で1ページあたり3万円いただきます」 |
御社 | 「そんなにかかるの?。じゃあ、社員に修正させますから、修正方法を教えてください」 |
HP業者 | 「これは高度な技術を使っていますから、素人さんには修正できません。必ずうちを通して修正してください」 |
御社 | 「ええ~、じゃあ、ちょっとした修正のたびに何万円もかかるわけ?そんなにお金払ってられませんよ・・・」 |
こんな目に遭わないように、ホームページ制作を頼む前に、ホームページ公開後の「追加・修正」の役割分担と、そのコストについても明確にしておきましょう。
ポイント【5】スマホサイトも作成してもらえるか
近年のスマホの普及により、ホームページを見る時に、パソコンではなくスマホで見る人が増えてきました。
地域や業種によって少し差がありますが、歯医者さんや整体院等の個人むけ業種の場合、ホームページにアクセスする人の8割以上が、パソコンではなくスマホ経由、ということも少なくありません。
従ってホームページを作る時には、パソコン用とは別に、スマホ表示に対応したホームページ(スマホサイトといいます)を用意することが大切。
このスマホサイトに対応できるかどうか、制作会社に必ず確認しておきましょう。
実はスマホサイトを作るには、通常のホームページ作成とは異なる技術が必要なため、必ずしもすべての制作会社がスマホサイトを作成できる訳ではありません。
もしスマホ対応できない作成会社の場合、後でスマホサイトを作りたいと思っても、また別の業者を探さなければいけません。
手間もかかりますし費用も割高になってしまいます。
どうせなら同じ業者に、パソコン用ホームページとスマホサイトを両方お願いした方が楽ですから、スマホサイトに対応できるかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。
このポイントをクリアした制作会社を選びましょう
以上、ビジネスに役立つホームページを作ってくれる制作会社を選ぶポイントをお話ししてきました。
ぜひこの5つのポイントをクリアした優秀な作成会社を選んでくださいね。