前回に引き続き「常時SSL」について解説します。
前回は、
- 常時SSLとは、ホームページ内のすべてのページをSSL化すること
- Googleの主導により、大手サイトからその対応が進んできた
- 中小企業でも導入するサイトが増え、今後も増える見込み
というお話しをさせていただきました。
▼前回の記事
【いまさら聞けない】常時SSLって何?メリット・デメリットは?(前編)
今回は、今後、導入を検討したいという方のために、常時SSLのメリット、デメリットや導入方法について解説していきましょう。
常時SSLのメリット
常時SSLを導入するメリットは、主に以下の4つです。
1.信頼性の確保
従来の、一部ページのみSSL化する方法では、防ぎきれないセキュリティ上のリスクがあることがわかっています。
常時SSL化ではそれらのリスクに対応可能です。
また、最近では公共の場所での無料Wi-Fi利用が多くなり、リスクが高まっています。
10月には新たに「KRACK」というWi-Fiの脆弱性が見つかったことも話題になりました。この「KRACK」への対策の1つとしても、SSLによる通信が推奨されています。
自社のホームページ上でユーザーのデータが読み取られ、改ざん・悪用されると信用問題です。
常時SSL化することにより、ユーザーに安心安全なホームページを提供し、企業サイトとして重要な信頼性を確保できます。
2.サイト分析の精度向上
「ユーザーがどのサイトから来たか」の情報は「リファラ」と呼ばれています。ホームページの分析では、この「ユーザーがどのサイトから流入したか」というリファラの情報はとても大事です。
しかしGoogleアナリティクスでは、SSLページからSSL非対応のページへ移ったときにはこの情報が取れません。
そのため、検索エンジンやSNSをはじめ、周囲のサイトの多くが常時SSL化すると、SSL非対応のホームページはどんどん情報が取りにくくなってしまいます。
対して、常時SSL化すれば、SSLページ・SSL非対応ページのどちらからの訪問でも情報を取得でき、サイトの分析がしやすくなります。
3.表示速度アップ
以前は、SSLに対応したページは暗号化の処理に時間がかかるため表示速度が遅いと言われていました。
ところが現在、さまざまな高速化技術が登場しています。SSL暗号化を前提に高速通信の導入が進んでいるため、常時SSLの環境でも、従来よりホームページの表示速度をアップさせることが可能になってきました。
むしろこうした高速化の技術は、SSLを導入していないと使えません。これからはSSLを導入した方が、表示速度アップの恩恵を受けられるようになっていくと言えるでしょう。
4.SEO的に有利(将来的な検索順位の向上)
前編で解説したように、常時SSLが広く知られるきっかけは、Googleが今後、SSL導入サイトを検索結果上、優遇する方向にすると発表したことでした。
現在のところ、すべての検索結果で常時SSLサイトが優遇されているわけではなく、SSL化したからといってすぐに表示順位が上がるということではありません。
ですが、今後もこの傾向が続くことを考えると、いずれは常時SSL対応がSEO的にも有利になってくる可能性が高いでしょう。
常時SSLのデメリット
導入するメリットがたくさんある常時SSLですが、デメリットはいったいなんでしょうか? 大きな問題点は、以下の2つが考えられます。
1.費用がかかる
SSLは無料のものもありますが、基本的には導入するのに「SSLサーバ証明書」を専門の発行機関に発行してもらう必要があり、その発行には費用が必要です。
かかる費用は発行する種類や機関によって異なり、年間数千円〜十数万円程度と幅があります。
2.改修や設定変更が必要
既存のホームページを常時SSLに変える場合には、ホームページ内の改修や設定変更が発生することがあります。
業者に頼む場合は、もちろんこちらも費用がかかります。
上記2つのほかにも「ソーシャルボタンのカウントがリセットされる」「一部の広告やツールでSSL非対応のものがある」などのデメリットもあります。
導入方法は?
メリットはよくわかった、費用面もクリアできそう、でも何からしていいかわからない・・・という方は、まず、利用しているホームページ制作会社、CMSサービス、サーバー会社等に問い合わせてみましょう。
現在のホームページ利用状況によって、導入できるSSLの種類や段取りが異なります。SSL化するためにで改修しなければならない箇所が出ることもあります。
また、「今あるホームページを常時SSL化するのは、事情によってできない」こともあるかもしれません。
その場合は少なくとも、新しいホームページを作る際や、リニューアルの際に、常時SSLでの作成を検討するのが望ましいといえます。
なお、【あきばれホームページ】のサービスをご利用の方は、オプションにて常時SSLの導入が可能ですので、サポートセンターまでご相談くださいね。
費用や詳細などは、以下のページにも明記しています。
以上、2回に渡り、常時SSLとは何かについて解説してきました。
今年の2月には、SSLでの通信が全体の50%を超えたとのニュースもありました。「絶対に今すぐやったほうがいい」というわけではありませんが、流れは確実に常時SSL化の方向へ向かっていることを知っておいてください。