ネットで売上げ500万円は可能?
先日、ある社長さんとお会いしました。
その社長さんは、ある商品を販売するネットショップとして、これから
ホームページを立ち上げる、とおっしゃっていました。
何でも、実店舗では売上が下がる一方で、起死回生の手段として、ここ
はひとつネットで売ってみよう、とお考えになったようなのです。
そこで、じゃあどれくらいネットで売りたいとお考えですか?と聞いて
みると、
「月商500万円くらいあれば御の字ですね」
とのこと。
これには私も思わず「うーん……」と唸ってしまいました。(^^;)
社長さんのお気持ちは分からなくもないのですが、ネットだけで月商5
00万円というのは、実は相当ハードルの高い数字。
そこで今回は、この根拠について詳しくお話しましょう。
500万円の売上に、何アクセス必要?
まず、ホームページにアクセスした人のうち、何人くらいが商品を購入
してくれるのかを考えてみましょう。
商品や価格によって上下しますが、一般的には、アクセス者のうち実際
に購入する人の割合は、
0.2%~0.5%
といわれています。
つまり、
200~500人に1人
しか買ってくれません。
また、ネットでは「消費者の抵抗価格」というのがあります。
これは、初めて訪れるホームページで商品を購入する際、「失敗しても
まあいいか」と思える金額のこと。
一般的にこの金額は
3,000円
といわれていますので、500万円の売上げをあげるためは、
1,667人(=500万円÷3,000円)
のお客さんに商品を購入してもらう必要があります。
1日あたりで計算すると、
55人(=1,667人÷30日)
です。
では毎日55人に買ってもらうには、どれくらいのアクセス数が必要で
しょうか。
アクセス者のうち実際に購入する人の割合を「0.5%」とすると、5
5人に買ってもらうには、
11,000アクセス(=55人÷0.5%)
が必要ということになります。
つまり、毎日11,000人のアクセス者を集めれば、そのうち55人
が商品を購入し、月商500万円が実現できる、というわけです。
ところが、多くのホームページでは、1日「100」アクセス程度あれ
ばよいほうですから、毎日11,000アクセスというのは、ほとんど
夢のような数字。
このように「ホームページだけで月商500万円」というのは、なんと
もハードルの高い目標だということがおわかりいただけるでしょう。
購買率(CR)が大切
ところで、先ほどの例で
アクセス者のうち実際に購入する人の割合=0.5%
とありましたが、専門的にはこの数字のことを、
コンバージョンレート(CR)
といい、この例の場合は「購買率」です。
もちろん、アクセス数が増えないことにはどうにもなりませんから、皆
さんSEOなどを工夫されているわけですが、実はこの「購買率」も大
変重要な数値。
というのも、この購買率が「0%」では、いくらアクセスを増やしても
売上げに結びつかないからです。
またアクセス数は、極端な話、広告費を支払いさえすれば、何アクセス
でも達成できます。
つまり
「アクセスはお金で買える」
のですが、
「購買率はお金では買えない」
のです。
したがって、いろいろと試行錯誤しながら購買率を高めていかなければ
いけません。
いくら広告費を払ってアクセスを増やしても、この購買率が低ければド
ブにお金を捨てるようなものですから、十分気を付けたいところです。
なお「コンバージョンレート」は、商品の購買率だけでなく、資料請求
の申し込み率や無料相談の申し込み率など、さまざまなケースに応用で
きる重要な指標です。
この機会にぜひ覚えておいてくださいね。\(^^)√