今日は少し趣を変えて、ライブドアの話をしてみたいと思います。
ライブドアのアクセスが急増
インターネットの視聴率を調査しているNetRatings社
(http://www.netratings.co.jp)という会社があるのですが、この会
社がライブドアのアクセス数に関するプレスリリースを発表しています。
ライブドア運営ウェブサイトの訪問者が急増。プロ野球参入の話題
に加えて掲示板サイト買収やブログサービスが貢献
~「Nielsen//NetRatings」 2004年8月の月間インターネット利用
動向調査結果を発表~
http://csp.netratings.co.jp/nnr/PDF/Newsrelease09272004_J.pdf
詳しくは上記のPDFをご覧頂ければと思いますが、このプレスリリー
スによると、ライブドア社のウェブサイトの利用者数はこんな感じで急
増したそうです。
2004年
2月 215万人 ■■■■
3月 226万人 ■■■■
4月 165万人 ■■■
5月 255万人 ■■■■■
6月 242万人 ■■■■■
7月 392万人 ■■■■■■■■
8月 513万人 ■■■■■■■■■■
アクセスが急増した理由はいろいろあるようですが、その理由の一つは
もちろん「プロ野球参入」です。
もともとライブドアの堀江社長は近鉄買収の前からプロ野球への参入を
考えていて、今回の近鉄買収も「タイミング」にはかなり気を使ってい
たそうです。
買収の意図は色々とあったのでしょうが、「知名度アップ」がその主要
な目的であったことは確かです。
堀江社長の「近鉄買収」の報道を聞いたIT業界の経営者達が、地団駄
踏んで悔しがったという話を良く聞きますから、堀江社長の真意はとも
かく、周りからはそう見られるのも致し方ないかもしれません。
近鉄買収の前は「ライブドア」という会社を聞いたこともない人が「圧
倒的」だったと思いますが、今ではもしかしたらライブドアという名前
を「聞いたことがない人の方が少ない」状況です。
プロ野球参入はかなわなかったものの、「知名度アップ」には大成功と
言えるでしょう。連日のマスコミ報道の広告効果は「何十億円」と言わ
れていますから、堀江社長としては「してやったり」だったことと思い
ます。
サイトへのアクセスには・・
さてこのように、少なくとも「知名度」という観点からは大変効果のあっ
た今回の買収騒動ですが、実は「アクセスアップ」という観点からはそ
の効果は限定的でした。
先ほどのNetRating社のコメントによると、
8月の利用者増は、6月に買収した掲示板サイト「JBBS@したらば」
の統合や、ブログサービス「livedoor Blog」の拡大に支えられて
おり、8月には289万人が同社運営のブログサイトを訪問していま
した。
とのことです。
上記のNetRatings社のプレスリリースを整理すると、
2月のアクセス数 215万人
8月のアクセス数 513万人
JBBS@したらばのアクセス数 151万人
livedoor Blogのアクセス数 288万人
この2つを除いたライブドアの「8月」のアクセス数
74万人
と言う状況です。
上記の「JBBS@したらば」と「livedoor Blog」のアクセス数は重複部分
があるため、それを単純に引き算した「74万人」というのは、実際は
もう少し多いと思います。
でも上記2要因を除くと、2月のアクセス数に比べて、それほどライブ
ドアのアクセスが劇的に増えたという訳ではなさそうです。
マスコミ報道は直接のアクセスに結びつかない
さてこの事例から分かるのは、こと「ネットのアクセス」という観点か
らは、マスコミ報道がアクセスに直接は結びつかない、という事実です。
私も過去何度かマスコミに取り上げられたことがありますが、それによ
るホームページのアクセスは微々たるものでした。
私の感覚としては、「新聞やTV」と「パソコンのホームページアクセス」の間
には深い溝があります。
会員さんから、「新聞広告を打って、ホームページのアクセスを増やし
たい」という相談を頂くことがあるのですが、上記の例からみても、ちょっ
と難しいでしょう。
長い目で見ればまた違うのでしょうが、少なくとも短期的には「マスコ
ミ報道」と「アクセスアップ」は連動しない、と思った方が良いのでは
ないでしょうか。