今週は「ホームページの原稿は誰が考える?」です。
これからホームページを作ろうとしている会員さんからいただいたご質
問をもとに、「会話」形式でお届けしましょう。
Aさんと私の会話です。
原稿は誰が考えるのがベストか?
私 「ホームページを作るときに、一番大変なことってなんだと思いま
す?」
A 「そりゃあ、やっぱりデザインでしょう。これは素人にはできない
からね、プロにお任せしないとね。」
私 「ええ、もちろんデザインは難しいですが、Aさんのおっしゃる通り、
それは業者に依頼したら何とかなりますよ。Aさんが一番大変な
のは、ホームページの中身、原稿を書くところなんです。
お忙しいでしょう?時間は取れそうですか?」
A 「ああ、それなら大丈夫。全部家内に任せようと思ってるんです。
私はどうも、文章を考えるのは苦手なもんで。家内は結構文章書
くの、好きらしいんですよ。」
私 「あれ?Aさんの奥様は、一緒に会社で働いていらっしゃるんです
か?」
A 「ええ。週3回来て、事務だけやってくれてるんです。」
私 「そうですか・・それは難しいかもしれませんよ。ホームページを
作る作業で、一番大変かつ重要なのはこの原稿の制作ですから、
社内の事情、特に営業について詳しい人に書いてもらったほうが
いいと思いますよ。」
A 「えっ、うちの会社は私がひとりで営業もやってますから、結局、
私が書くっていうことですか?!あとは資料を渡したらできあが
る気でいたのに、なんだか急に大変になってきたなぁ・・」
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ホームページ制作の全工程のうち、大きな時間を占めるのが、ホームペー
ジに掲載する原稿の制作です。
ホームページにアクセスした人が、資料請求や問い合わせをしてくれる
のか、もしくは商品を買ってくれるのか、それとも他のページに行って
しまうのかを決定するのは、ホームページの中身(コンテンツ)なので
す。
Aさんは、あまり社内の事情をご存じでない奥様に、原稿書きを全部任
せようとしていましたが、それではポイントを外した中身になってしま
う可能性が高いと思われます。
ホームページは、インターネット上の「仮想支店」です。
従って、ホームページを開設するということは、新しく「支店を開設す
る」ことと同じです。
通常は、どこかの地方に新しく支店を開設する場合、
・どのような店舗にするか(内装、品揃え、等)
・どのようなお客さんをターゲットにするか
・人員配置はどうするか
・来店したお客さんにどうセールスするか
といったポイントを、経営者ご本人か、ある程度の経験のある方が色々
と検討されると思います。
原稿制作はこの中で「来店したお客さんにどうセールスするか」を考え
ることと同じですから、営業に大きく関わっている方が担当するのがベ
ストなのです。
(奥様が本業のライターさんで、Aさんにきちんと取材をして書いてく
れる、ということでしたら話は別ですが・・・)
原稿書きの苦労がメリットになる
さて、Aさんとの会話の続きです。
A 「困ったなぁ、私、ホントに書き物苦手なんですよ~。考えてる暇
もないし・・」
私 「そうはいっても、”忙しいから”といって、奥様に代わりに、支
店開設を任せたりはしないでしょう?やっぱり、Aさんが中心に
なって制作するのがベストだと思いますよ。」
A 「私にできますかねぇ・・?」
私 「まずは、いつも営業でお客さんに話している内容を整理してみた
らどうですか?それから、文章の枝葉や体裁にこだわらないで、
話し言葉でもどんどん書いていっていいと思いますよ。細かい修
正は、文章の得意な奥様にやってもらえばいいんですから。」
A 「なるほど」
私 「ホームページにアクセスした人を、はじめて会うお客さんだと想
定して、伝えたいことを書き出してみてください。いつもすらす
らと話していることを「文字」にするのは、確かに大変だと思い
ますが、続けているうちに、頭の中が整理されてくるはずですよ。」
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多くの経営者の方にとって、ホームページ制作は「初めての経験」です。
ホームページでは、営業マン(人)の代わりに、文字(コンテンツ)が
お客様に説明をします。
ですから、アクセスした人に「伝えたい内容」を、「分かりやすく」ま
とめて、それを「文字」にしなければなりません。
この作業は、文章を書くのに慣れていない方だと、本当に苦労されると
思います。
しかし、自分の頭の中にあることを「文字」に落とす作業は、同時に、
あなたの頭の中にぼんやりとあった内容を、整理する作業でもあります。
「我が社のアピールポイントは何だろう」
「お客様に喜んで頂けるサービスは?」
「自分の想いを伝えるにはどうすれば良いのだろう」
こうしたことを、原稿を書きながら考えてまとめていくことは、新たな
発見につながったり、後々の経営に役立っていくことと思います。
ホームページの原稿制作が、ホームページの成果以上の何かを、あなたに
もたらしてくれるかもしれませんよ(^^)