前回、ホームページでモノを売るのがいかに難しいか、というお話をし
ました。
今回はそれを踏まえつつ、ホームページをどのように活用していけばよ
いのか、という点についてお話しいたします。
集客とセールス
一般に企業の営業活動を大きく分類すると、「集客」と「セールス」と
いう二つのプロセスから成り立っています。
ざっと説明するとこんな感じです。
「集客」 =お客さんを営業マンの前に連れてくること
「セールス」=目の前のお客さんに商品やサービスを販売すること
たとえば新車のディーラーでは、ショールームを訪れたお客さんに車の
説明をして、車を購入してもらうという部分を、営業マンが担当します。
この部分が「セールス」にあたり、日本語だと「営業」とか「販売」と
なるでしょう。
一方、テレビCMやチラシなどを使って、お客さんをショールーム、つ
まり、営業マンのいるところへ集める「集客」は広報などの部署が担当
します。
このように、「ショールームにお客さんを連れてくること」は、営業マ
ンの仕事ではありません。
営業マンはセールスのプロですから、目の前にお客さんがいれば、さま
ざまなテクニックを駆使して、成約につなげられるでしょう。
しかし、もし集客がうまくいかず、ショールームにお客さんが来なけれ
ばどうでしょうか。
目の前にお客さんがいないのでは、どんなに優秀なセールスマンでも、
一台も売れませんよね。
そうすると、セールスするお客さんを探して「飛び込み営業」をしなく
てはならなくなります。
しかし普通は、100軒の家を回るよりも、ショールームに来てくれた
1人に説明したほうが、よほど簡単にセールスできるのです。
このように、優秀な営業マンに力を発揮させるためには、営業マンの前
に「お客さんを連れてくる」ことが不可欠。
お客さんを優秀な営業マンの前に連れてくるノウハウ、つまり
「集客」のノウハウ
さえあれば、あとは「セールス」のテクニックに長けた営業マンが簡単
に売上をあげることができます。
HPでは「集客」に注力しましょう
では、ホームページはどうでしょうか。
先週お話ししたように、
・アクセス数(来店者数)が少ない
・購買単価が低い
・購入率が低い
といった理由から、ホームページは商品を直接販売するのに向いていま
せん。
ホームページの目的を最初から「販売」においてしまうと、かなりのノ
ウハウが必要となり、結果的に「販売コスト」が高止まりするのです。
にもかかわらず、ホームページ作成をしようとする多くの企業は、この
「販売」部分をホームページに担当させようと考えます。
ところが「集客」のプロセスについては、インターネットを使うととて
も効果的です。
検索エンジンやネット広告といったツールをうまく使うと、実店舗より
もはるかに低コストでお客さまを集められます。
また、見込み客やリピーターのフォローも、ホームページやネットを使
えば、低コストで実施できるのです。
もちろんホームページでモノがまったく売れない、というわけではあり
ません。
ノウハウさえあれば、高額商品をホームページで直接販売することだっ
て可能です。
しかし通販のノウハウを持たない企業は、直接ホームページでセールス
せずに、
・見込み客を集めて
・営業マンの前に連れてくる
という「集客」の部分にホームページを活用したほうが、成果を出しや
すくなります。
そして、ネットの活用に慣れ、ある程度ノウハウが蓄積されたら、ホー
ムページで「販売」すればよいのです。
最初から「ホームページで売ろう」とするとなかなか成果が出ません。
商品はなかなか売れないのに、広告費をつぎ込んだり、高機能な買い物
かご(ショッピングカート)をつけたりと、お金ばかりかかってしまい
ます。
くれぐれも、ホームページ活用のノウハウがたまっていないうちは、
「集客」の部分、つまり、
「お客さんを目の前に連れてくる」ことにホームページを使う
ということに注力してくださいね。\(^^)√