中小企業診断士は稼げる資格? 平均年収の真実は?
中小企業診断士は、その名の通り、中小企業の経営課題の診断や助言を行うことを生業としています。専門性も高く、その年収は高めで、平均780万円程度と言われています。統計によっては、1000万としているところもあるようです。
ただ、中小企業診断士は、その業務内容の特性上、経営に携わっているベテランサラリーマンや、なんらかの形で経営業務に携わっていた経験を持っている人が資格をもっているケースが非常に多いです。そういう人たちは、元々が年収700万~1000万ある場合が多く、「中小企業診断士だから稼げている」と言えるかどうかは、少し疑問が残ります。
そこで、中小企業診断士は、本当に稼げる資格なのか、見ていきたいと思います。
有資格者として会社に就職した場合
専門性の高い資格ですし、中小企業診断士の需要も高いので、資格を取ってそれなりに稼ぐのであれば、まず困らないと言えます。有資格者として会社に就職した場合の平均年収は、300万円台~400万円台が相場のようです。
企業に所属しながら、資格をとるケースもありますが、その場合は資格手当が数万程度つくだけです。中小企業診断士の資格をとったからといって、年収が劇的にアップすることは期待できないと言えます。
こうしてみると、中小企業診断士の資格を取って企業に就職するのは、収入面においてそれほどうまみがありません。高収入でなくても、安定した収入を得たい人におすすめです。
コンサルタントとして会社に就職した場合
中小診断士として、企業で経験を積むと、2~3年程度でコンサルタントとして仕事をこなせるくらいになってきます。コンサルタントに成り立ての平均年収は500万程度が相場と考えて良いでしょう。
経験を積めば役職が上がり、資格手当の数万程度よりも、さらに年収がアップすることも望めます。これは本人の実力にもよりますが、コンサルタントの経験5年程度で、年収1000万を超える人もわずかながら存在しています。
キャリアアップしながら収入アップを目指すには、企業所属のコンサルタントは良いかもしれません。ただ、1000万を超えられるのはまれであること、基本的には一般的なサラリーマンの年収とそう変わらないことを考えると、資格を取ったうまみは、やはりあまりないと言えそうです。
独立開業した場合
中小企業診断士の資格を有意義に生かすには、やはり独立開業がおすすめです。年収1000万や2000万を超えている独立した中小企業診断士は、それなりにいます。
裏を返せば、資格を持っていても、転職に活用したり、会社に勤めたりの状態だと、昇進や資格手当の分の給与が上がるだけで、さほど年収アップできる職業ではないと言えます。
ただ、独立したからといって即年収アップにつながるかと言えば、そんなに甘くはありません。集客力・営業力がなければ、仕事を得ることができないからです。いくら中小企業診断士としての知識や経験があっても、独立して仕事を得られるかどうかは別問題です。
どれだけ自分で仕事をとってこれるかが年収を大きく左右するので、独立開業を目指すなら、専門外と言わずにこれらを学んで習得しておきましょう。