成功を引き寄せる差別化戦略の立て方~士業の3C分析~
士業には業務領域があるので、基本的にはできる業務は同じです。しかしそれでは、お客様はどの先生を選んで仕事を依頼すれば良いか分からなくなってしまいます。
そこで重要になってくるのが差別化戦略です。できる業務内容が同じだからこそ、士業は他士業(=競合)との差別化することが必要になってきます。
「私は、ここが他とは違って、こういうことができるよ」
という「他との違い」・「他と比較しての強み」を見せることができれば、お客様にも選んでもらいやすくなります。
ではどうやって、競合と差別化を図っていけば良いのでしょうか?
次から、士業の差別化戦略の立て方を具体的にご紹介していきましょう。
3C分析とは?
差別化戦略をとるとき、調べなければいけないことが3つあります。
それは、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の3つです。
この3つを調べ、3つの視点から分析することをマーケティング用語で「3C分析」と言います。
顧客を理解し、競合との差別化を図り、自社の強みを生かした戦略をとるために使われる手法なので、差別化戦略を考えるために覚えておくと便利です。
3C分析は、どこの分析から始めても問題はありませんが、できれば「顧客、競合、自社」の順番でしていくと簡単だと思います。
顧客(ターゲット)、競合について知らなければ、自社のどこを強みとして見せていくかが決まらないので、自社よりも先に顧客分析・競合分析をするのがおすすめです。
では、早速この3C分析の手法に沿って、差別化戦略を組み立てていきましょう。
顧客分析~ニーズがどこにあるのかを知ろう
顧客分析では、顧客のニーズをつかむことが最も重要です。
先生の顧客と成り得る人は、どんな人なのでしょうか。
年齢、性別、地域、収入、悩み、購買行動、購買決定プロセスなど、細かいところまで見ていきましょう。
一番確かな方法は、これまでに顧客なった人たちを分類していくこと。
さらに、その方たちに意見を聞くことができれば、より細かい分析ができます。
ただそこまでするのは難しいかもしれません。
また、まだそれほど多くの顧客データが蓄積されていないかもしれません。
そういう場合は、顧客になりうる可能性があると想定できる人の意見をネットや雑誌などから拾っていきましょう。顧客の真のニーズを探るのに適しているのは、ブログやSNSでの意見。雑誌記事やニュース記事などで人の手によって加工されたものよりも、顧客自身が自分の言葉で直接語っているブログやSNSは非常に有効です。
ネットなら情報収集も無料でできるので、様々な人の意見を拾い集めてみましょう。顧客の生の声に数多く触れ、顧客の悩みやニーズを具体的に想像できるようになることが大切です。
競合分析~競合を設定し、競合の強み・特徴を知ろう
次にするのが競合分析です。このとき競合になる相手は、先生がどこで戦っていくかで変わります。
東京で戦うのであれば、東京の他士業の方が競合になりますし、ネットで集客するなら検索エンジンの上位に出てくる士業の方が競合になります。また、「相続税専門」と打ち出していくなら、「相続税専門」の士業の方が競合になるわけです。
そのため競合分析をするには、大枠で戦いの土俵を決めておくことが必要です。
その上で競合を設定します。設定した競合を、次の観点から調査してみましょう。
- どのような商品・サービスを提供しているか
- どのように商品・サービスをアピールしているのか
- 強み、弱みはどこか
- サイトのデザインやユーザビリティはどうか
- ブログやFacebookはしているか
- 事務所のコンセプトは何か
- どのような戦略をとっているのか
リアルでは先生の事務所近隣にある事務所が競合となりますし、ネット上では検索エンジンの上位に出てくる事務所が競合になります。
ネットの場合は、キーワードを打ち込めば、ずらっと競合が出てくるので、競合調査も簡単です。できれば上位10位以内に表示されている事務所は、じっくり競合分析するようにしましょう。
自社分析~強みを見つけ、その見せ方を考えよう
最後に、先生ご自身の事務所について分析します。
競合に比べて、事務所の強み、弱み、特徴はどこにあるかを考えましょう。競合と差別化できるポイントを分析して見つけることが大切です。
ホームページをお持ちであれば、各コンテンツのアクセス状況なども合わせて分析し、人気のあるコンテンツを見つけると、事務所の強みの把握に役立ちます。
滞在時間の長さや、セッション数の多さなどを参考に、顧客のニーズを満たしているコンテンツはどれなのか、発見してみてください。
まとめ
- 差別化戦略を立てるには、3C分析がおすすめ
- 3C分析の3Cは、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」
- 顧客分析に、ブログやSNSを活用してみよう
- 検索エンジンの検索結果上位10以内は、常に競合分析で追いかけること
- 顧客ニーズ、競合の戦略・強みを把握した上で、自社の他とは差別化できる強みを見つけよう