景品表示法と薬機法は要チェック!エステサロンで使えない4つの広告表現
エステサロンの広告では、使ってはいけない広告表現というものがあり、規制の対象となる可能性があります。
サロンの信頼度を落とさないためにも、エステサロンで使えない広告表現はしっかり把握しておきましょう。
そこで今回、エステサロンの広告で使うことができないNG表現を4つ紹介していきます。
エステの広告表現を規制する法律
エステティックの広告を規制する法律は、1つではありません。
エステティック業を取り締まる基本の法律が制定されていないので、景品表示法や薬機法以外にも、医師法、消費者契約法など様々な法規制が関連しています。
もちろんすべての法律において規制の対象にならない表現で広告することが大切ですが、まずは基本の景品表示法と薬機法について把握しておきましょう。
景品表示法
景品表示法という法律が関わるのは、エステティック業だけに限りません。すべての業種の広告を規制する法律です。
エステサロンの広告でありがちなのは、以下のような表現です。
優良誤認「例:1週間で2㎏痩せられます」
景品表示法では、商品やサービスの品質、規格その他の内容の不当表示(優良誤認表示)を規制しています。
たとえば、商品やサービスの品質を実際よりも優れているかのように偽って宣伝したり、根拠がないに特定の効果が出ることを保証したりするような宣伝は、不当表示になります。
具体的には、以下のような表現は規制の対象です。
「1週間で2㎏痩せることができます」
「このエステを受けられるのは、新宿区でこのサロンだけ!」
「お肌が10歳若返ります」
エステサロンであれば、つい使いたくなるような表現ばかりですが、広告では使えない表現なので十分に気を付けてくださいね。
有利誤認「例:新宿区でこのエステを受けられるのは、ここだけ」
景品表示法は、商品・サービスの品質、規格以外にも、価格やその他取引条件についても規制しています。
たとえば実際よりも有利だと偽って宣伝したり、競争サロンのサービスより安い、効果的と偽って宣伝したりする行為が不当表示に当たります。
具体的には、以下のような表現。
「このエステが1回5000円で受けられるのが今だけ!」
価格的なお得感を打ち出して広告をしているのに、実は常にその価格でサービスを提供している場合は、不当表示になります。また、以下のような表現もNGです。
「日本でこのエステが受けられるのはここだけ」
本当に「このエステが受けられるのはここだけ」ということを証明できる材料があるのなら良いですが、他のエステサロンでも同じような施術が受けられる場合は、不当表示となってしまいます。
薬機法(旧薬事法)
薬機法(旧薬事法)は、エステティック業を直接取り締まっている法律ではありません。
しかしこの法律は、医師免許を持った医師や承認を受けた医療機器、医薬品でしか行えない広告について定められています。
また薬機法(旧薬事法)に違反する広告は、合理的根拠を見出しがたい場合がほとんどであるため、景品表示法にも違反していることになってしまいます。
医療行為ができると勘違いされるような表現
エステティックが医療行為でないのはご存じのとおりです。
そのため、エステの広告で医療行為ができるかのように表現をすることも禁止されています。
たとえば、「脂肪を分解できる」「毒素を排出して肌トラブルを治す」といった表現は、医療行為を想起させる表現です。
医療行為ができると誤認される恐れがあるため、規制の対象になります。
美容機器を、医療機器と間違うような表現
エステサロンで使用される美顔器や痩身マシンは、ボディメイクを行う範囲内で使用することが必要で、医療機器とは完全に異なります。
そのためエステの広告では、医療行為や医療機器でしか認められていない表現はできません。
たとえば、「細胞を内側から活性化する」「シミを消す」などは、医療行為と間違われる表現なので規制対象です。
化粧品や美顔器が身体の構造や機能に何らかの影響を及ぼす表現
エステサロンでは、施術サービスの他に化粧品や小型の美顔器など、美容機器の販売をしているところも多くあります。
このような化粧品や美容機器の販売も、薬機法(旧薬事法)が適用されます。
たとえば、身体の構造や機能に何らかの影響を及ぼすような効果を表明するのは、薬機法違反です。
具体的には、化粧水をつけて「肌のたるみがなくなる」「シワがなくなる」などの表現や、美顔器を使用したら「シミがなくなって肌が白くなった」など。
これらの広告は薬機法に触れてしまいます。
薬機法では、認められている広告の範囲が決まっています。認められている範囲内で広告を作成することが大切です。
エステサロンで使えない広告表現まとめ
エステサロンの広告は、景品表示法や薬機法に触れない範囲の表現で作成する必要があります。
使ってはいけない表現方法で広告を出してしまうと、サロンの信用問題にも関わります。サロンの信用を落とさないためにも、正しい表現方法をしっかり確認しておきましょう。
エステの広告表現を規制する法律は複数あってすべてを一度に確認するのは大変です。まずは景品表示法と薬機法をしっかり押さえておくのをおすすめします。
はじめはどの言葉や表現が使ってはいけないのかという判断は難しいですが、しっかり法律を守って、お客様にエステサロンの魅力を紹介してくださいね。