「USP」と「ポジショニング」って?他社と差別化する強みの見つけ方
似たような商品やサービスが溢れているこの世の中で、自社を選んでもらうために必要なのは他社との差別化です。
そして差別化に必要なのが自社の「強み」を見つけること。
つまりUSPとポジションの確立です。
本記事では「USP」と「ポジショニング」のマーケティング用語の意味と、他社と差別化するための自社の強みを見つける方法を解説します。
「USP」と「ポジショニング」とは?
「USP」と「ポジショニング」という単語とその意味を解説します。
これら2つが組み合わさることで「強み」となり、独自のブランドを確立できるのです。
USP=他社には無い独自性
USPとは「Unique Selling Point」の略で「独自性」を意味しています。
この世の中には同じような商品がたくさんありますが、Aに優れているもの、Bに優れているものといった具合に、それぞれ何らかの独自性を持っているのです。
例えば同じ青汁を売っている場合「ダイエット効果が期待できる青汁」と「味が美味しくて続けやすい青汁」とでは訴求ポイントが全く異なります。
USPとはいわゆる付加価値的な役割もあるのです。
ただし、ただ単にUSPを発掘するだけで商品やサービスが売れるかというと、そう上手くはいきません。
その独自性を理解し、高く評価してくれるマーケット(市場)がなければ商品としての価値は無いのです。
ポジショニング=戦う場所を決めること
ポジショニングとは、ポジションを確立すること、つまり自社の戦う場所を決めること。
すでに存在する業界で戦おうと思っても、ビジネスを始めたばかりだと知名度も実績も無く、長年営業しているところに顧客は流れていくでしょう。
そこで自分の戦う土俵を狭める(ポジショニングする)ことで、その分野に興味があるユーザーが目を付けてくれるのです。
同じ業界でも方向性が違うものはたくさんあります。
例えば獣医には、誰もが想像するような診察や治療を施す「臨床分野」と、動物の栄養学に基づきペットフードを研究・開発する「栄養分野」があるのをご存知ですか?
「栄養のあるペットフードを開発する獣医」というポジションを確立すれば目立ちますよね。
USPとポジショニングの効果とメリット
USPとポジショニングはそれぞれ密接に関わっていて、組み合わさることでより強力な強みになります。
では、USPとポジショニングを確立することの3つのメリットをご紹介しましょう。
①セールスが不要になる
マーケティングの理想は「セールスを不要にすること」だと言われています。
自社の強みを活かすことで、その強みに惹かれ購入してくれる人が増えるのです。
②覚えてもらえる
「キャラ立ち」という言葉はビジネスにも役立ちます。
例えば「かめはめ波」を打つキャラクターといえばドラゴンボールの「孫悟空」ですよね。
強みを確立することはキャラ立ちと同じで「○○といえば?」「あの会社(人)!」と覚えてもらえて、それがリピートにもつながります。
③口コミで広がる
自社のポジションもターゲットもあやふやだと、誰の心にも響かない状態に。
逆に範囲を狭めることでピンポイントでユーザーの心に響き、満足度にもつながります。
それが次第に口コミとして広がっていくのです。
USPを見つける9つのニーズ
ビジネスを立ち上げたばかりの状態で、USPを見つけるためにはどうすれば良いのでしょうか?
ダイレクトレスポンスマーケティングの戦略開発者、ジェイ・エイブラハムが考案した9つのニーズに当てはめてみましょう。
- 選択肢の多さ
- 大幅なディスカウント(安さ)
- 本質的なアドバイスや補助
- 利便性(ロケーションの良さ、在庫の多さなど)
- 最高級の品質
- 迅速なサービス
- 特別なサービス
- 保証の充実(長期的、または幅広さ)
- その他(有形・無形の利益、価値ある特典など)
具体的な例で言うと「激安の殿堂」と言われるドン・キホーテは2の安さを売りにしています。
また「30分以内にお届け」を約束するドミノ・ピザは4や6の利便性と素早い対応を強調。
お腹が空いて早くピザが食べたい時はドミノ・ピザに宅配を頼むように、この9つのニーズは顧客が商品やサービスを購入するための理由・動機になるのです。
自社の商品に当てはまる項目はないか、ひとつひとつ考えてみてください。
ポジショニングの5ステップ
自分の専門特化分野を持っていればポジショニングは比較的簡単です。
「専門分野」ではなく「専門特化分野」としたのは、できるだけポジションは狭めた方が戦いやすいから。
前の獣医の例のように、同じ業界でも特化した方向性を確立しましょう。
でも、専門特化分野がわからない人はどうすれば良いのでしょうか?
そんな人は次に紹介する5つのステップを利用して、自分のポジショニングと認知活動をしていきましょう。
ステップ1:ターゲットを決める
マーケティングでは必ず対象となるターゲット(ペルソナ)を決めます。
年齢、性別、仕事、趣味、悩み、家族構成、思想など細かく設定し、できれば顔を思い浮かべられるくらいの精密さが理想的です。
ステップ2:競合他社を見る
自社が売ろうとしている商品やサービスをすでに売っている競合他社をリサーチします。
どの顧客層をターゲットにして、どんなUSPがあり、どんな売り方をしているのか。
複数リサーチすることで、他社がまだ手を出していない、または手を出しているところが少ないポジションを見つけましょう。
ステップ3:USPを決める
だいたいステップ2で自分がどの土俵で戦うかポジショニングが見えてきたところでUSPの登場です。
先にUSPを決めておいても良いし、ステップ2でポジションが見えてからUSPを考えてもOK。
ステップ4:信頼できる裏付けをする
そのポジショニングには裏付けや根拠がありますか?
自分の実績や能力を目に見える形だったり、言語化したりと裏付けして、ユーザーから信頼を得られるようにしましょう。
ステップ5:認識してもらう
ホームページ、ブログ、SNS、対面…あらゆる手段を使って自社のUSPとポジションを認識してもらいましょう。
キャッチコピーや肩書きがあればそれを積極的に利用してください。
認識され、広まることで集客になり、結果として売上などにつながります。
最後の差別化の決め手は信頼関係
USPとポジショニングを確立して自社の強みを見つけられれば、そこは自社だけのブルーオーシャンとなります。
ですがブルーオーシャンには次第に新参者が入ってくるもの。
そうなるとユーザーは「どちらが良いか?」を比較し始めます。
そこで最後の差別化の決め手となるのが信頼関係です。
ユーザーは商品を理屈や理論で買うのではなく、感情で買っていることをご存知ですか?
「なんとなくこっちの方が良さそう」「前はこっちを利用したからリピート」というふうに、実はそれほど頭を使っていなかったりします。
ユーザーからの信頼を集めていれば、他社にマネされても動じることはありません。
自分たちは商品を売買しているのではなく、人間関係を売買していると考えて今のうちから信頼を得る努力をしていきましょう。
他社と差別化する強みの見つけ方まとめ
似たような会社がたくさんある中で、差別化して自社を選んでもらうために大切なのは強みを持つこと。
強みはUSPやポジショニングから成り立っています。
自社のUSPやポジショニングを確立させることでセールス不要になったり、口コミで広がったりとメリットもあるのです。
自社だけの強みを見つけて他社との差をつけましょう。