ホームページの種類と役割を徹底解説【あなたが作るべきWebサイトは?】
ホームページには、その役割に応じてさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?
あなたがこれからホームページを作ろうとするとき、そのホームページがどんな役割を持つのか意識しなければなりません。
しかし、ほとんどの人がぼんやりとしか想像しておらず、同じようなホームページに見えていることが多いようです。
そこで今回は、ホームページごとの種類とその役割について取り上げました。これから作るホームページが、誰に向けてどんな役割を持つのかまだはっきりしていない人は、本記事を読んで、それらを十分に理解したうえでホームページ作成に取り掛かりましょう。
ホームページはすべて同じではない!
企業や店舗のホームページと聞いて、あなたはどんなモノを想像しますか? 会社の案内や商品の紹介をしたり、通販ができたりといろいろな側面をイメージするのではないでしょうか。
ホームページは一見同じように見えても中身は同じではありません。ページやレイアウトの構成だけではなく、ホームページを見せたい相手、その相手に起こしてほしいアクションなどによってサイトの構成は大きく異なります。
それらの違いに気付けば、ホームページ全体の印象や要素が違うことにも気付くでしょう。これからホームページを作ろうとする際には、「ペルソナ設定」や「コンテンツ制作」などの計画を立てていきますが、まず考えるべきなのはホームページの役割(目的)です。
ホームページは種類のよって役割は異なる
自社のライバル企業や取引先のホームページを見比べてみてください。よく見るとホームページの違いに気付くはずです。会社案内を前面に出しているホームページ、求人案内を中心としたホームページ、通販サイトとしてのホームページなど、いろいろありますよね。
ホームページを見せたい相手が「企業や取引先=BtoB」か「商品やサービスを購入、利用するお客様=BtoC」なのかでも訴求ポイントは変わってきます。
あなたのホームページは、誰に見せたいですか? そしてどんな行動をとってほしいでしょうか? ホームページはどれも同じではなく、それぞれ役割が違うことを理解しましょう。
ホームページの主な9種類とその役割とコンテンツ
それではホームページにはどんな種類があるのか、そしてそれにはどんな役割があるのかを解説していきます。
これから作るホームページがどの種類に当てはまるのか、その役割からどの種類に当てはまるのかを考えてみましょう。本記事では、主な9種類についてお話していきます。
1)コーポレートサイト
[サイトの目的]
コーポレートサイトは、企業サイトともよばれます。顧客や採用候補者など、あらゆるユーザーに対して自社を紹介することを目的としたWebサイトのことです。
会社概要や採用情報、サービス紹介といったコンテンツで構成されていて、営業や広報担当者に代わってインターネット上で会社紹介を行う役割を担っています。
企業の看板となる公式サイトですので、より多くの人に会社のことを知ってもらうためのマストツールと言っても過言ではありません。
[主な掲載コンテンツ]
企業の正式名称や本社、支社の所在地、アクセス、役員の情報、企業の沿革や歴史、社員の数や社屋についてのページを制作するのが一般的です。コーポレートサイトの中に採用ページを作るケースもあります。
必須
会社概要/サービス/商品の説明/個人情報保護方針/IR情報(上場企業の場合)/採用情報(採用している場合)
推奨
サイトマップ/代表メッセージや社員の紹介/スタッフブログ/実績一覧/お客さまの声/最新情報/よくある質問 など
[キーポイント]
コーポレートサイトでは、ターゲットとするユーザーに合わせてコンテンツを用意することが大切です。また、事業内容や顧客層を踏まえてデザインも注意する必要があります。
例えば、医療や福祉系の事業を行っている場合は、清潔さが感じられる白を貴重にしたデザインにするなど考慮しましょう。
2)サービスサイト
[サイトの目的]
サービスサイトとは、企業が提供している商品・サービスの紹介や特徴を伝えて「購買・申し込み・問い合わせ」などにつなげることを目的としています。
主なターゲットは、「悩みや不安を感じつつも、具体的なニーズや課題としてはまだ認識できていない顧客/潜在顧客」と「自身のニーズを自覚している顧客層/顕在顧客」の2者。このターゲットに対して、商品やサービスに関する情報を提供していきます。
[掲載コンテンツ]
まだ商品やサービスに至っていないターゲット層に対して「知りたいこと」や「気になること」について情報を提供していきます。また商品に関する特徴やメリット、価格表などのコンテンツも必須です。
お客さんの声を紹介するページも作っておくと、注文につながりやすく、問い合わせも少なくなるという効果が期待できます。「問い合わせフォーム」「資料請求フォーム」なども作っておきましょう。
[キーポイント]
オウンドメディアと同じようにキーワードを設定してSEO対策を行ったり、リスティング広告(検索ワードに連動して表示される広告)を出したりして集客します。
そのため、潜在顧客が求めているニーズを理解して、それに応える記事を作ることが重要です。ユーザーにとって役に立つノウハウ記事もそのひとつです。
3)ECサイト
[サイトの目的]
ECサイトとは、ネット上で実際に商品やサービスを直接販売できるサイトを指します。商品やサービスの購入に繋げて売上をアップさせることが目的です。
リアル店舗と違い、場所や時間を問わずに買い物ができるため、コロナ禍においても大きな影響を受けることなく多くのサイトが成長しました。今や企業活動においてなくてはならない販売戦略となっています。
[掲載コンテンツ]
商品の機能や魅力、価格を伝える商品ページは欠かせません。扱っている品数が多い場合はカテゴリページも必要です。また、コンテンツも重要ですが、ECサイトにおいては、欲しい商品を探しやすいか、決済方法が面倒でないか、など利用しやすさも重要です。
[キーポイント]
先述した通り、サイトに訪れた人が、迷うことなく商品を探すことができることが大切になります。「欲しい物が探せない」「購入ボタンが分かりづらい」となった場合、ユーザーはすぐにサイトから離脱してしまうからです。
サイト設計の段階で導線の設計をしっかりと行うことが成功させる成功へのポイントとなります。Web初心者にとってECサイトの運営はたいへん難しいものとなります。
4)プロモーションサイト
[サイトの目的]
プロモーションサイトとは、自社で販売している商品やサービスをアピールして、購買につなげるためのサイトです。サイトの目的としては「商品を知ってもらう」「商品に興味を持ってもらう」「商品を買ってもらう」の3つです。
ランディングページと少し似ていますが、1ページで商品の紹介から購入手続きまでをすべて行うランディングページに対して、プロモーションサイトは、サイト全体で商品のPRをします。
[掲載コンテンツ]
商品やサービスを初めて知る人に向けて、新商品やサービスの紹介、既存商品やサービスのアップデートについての紹介などを掲載します。併せて「特徴」や「メリット」などのコンテンツを載せます。サイト自体に関心を持ってもらえるように印象的なキャッチコピーを載せましょう。
[キーポイント]
サイトを効果的に運用するためには、商品の特徴を前面に押し出していく必要があります。この商品を購入すると、どんな良いことがあるのかアピールしましょう。
また、興味を引くためにインパクトのあるコンテンツを作るのもあり。動画やアニメーションを活用すれば、訪れた人にワクワク感を与えやすくなります。
5)ブランンドサイト
[サイトの目的]
ブランドサイトとは企業などが提供する商品やサービス、ブランドの価値を認知してもらうために作られるホームページを指します。ブランドが持つ世界観やイメージ、提供できる価値や魅力をアピールし、他社との差別化を図ります。
そのため、ブランドの認知度の向上、ブランドの価値を示す、ブランドの信頼性を示すといった目的を果たせるかどうかが成功の鍵となります。
[掲載コンテンツ]
商品やサービスのコンセプト、企業理念などを伝えるコンテンツが必須です。商品やサービスを使うことで得られるライフスタイルなどを伝えるといった「感情的価値」を伝えるようにしましょう。感情的価値とは、「消費者の感情に働きかける価値」を意味します。
- 制作側の想いや商品の価値を魅力的に伝えるストーリーコンテンツ
- ユーザーの共感を生むコンセプトコンテンツ
- サービスや商品を紹介するコンテンツ
ブランドや商品・サービスの誕生と商品化には、さまざまなストーリーがあります。それらのストーリーを、ストーリーテリングの手法を用いてひとつのコンテンツとして配置することで、ブランドや商品・サービスの魅力をより深く理解することができます。
[キーポイント]
「感情的価値」を伝えるには、ビジュアルを使うなどの工夫が必要です。また、ベネフィットを伝えるだけでなく、それが客観的に伝わるような根拠の提示もしましょう。
中小企業がブランディングサイトを持つメリットについて詳しくはこちら
6)採用・リクルートサイト
[サイトの目的]
リクルートサイトの目的は、求職者に自社の魅力をPRし応募を促すことにあります。最近はインターネットで求人情報を探す場合が多いので、専用のリクルートサイトを作る企業が増えています。
[掲載コンテンツ]
「自社の魅力」や「求める人物像」「待遇」「応募要件」などは必須です。キャッチコピーなどを用いて求職者の心に刺さるようなコミュニケーションをとりましょう。
可能であれば、「先輩社員インタビュー」や「◯◯さんの1日の働き方」といったコンテンツを作り、働くイメージが湧きやすくすると応募に繋がりやすくなります。
[キーポイント]
求職者は就職先・転職先の選定に非常に慎重になるものです。写真や動画なども用いて、求職者が知りたいと思っている情報をくまなく伝えることが大切です。
7)オウンドメディア
[サイトの目的]
オウンドメディアの本来の意味は、その企業が持っているメディアの総称を指します。しかし、現在では多種多様なコンテンツを用意して商品やサービスの魅力を伝えていくサイトのことを指すようになっています。
そのため、「商品・サービスの認知」から「商品・サービスの購入・申し込み」までを実現させ、さらに利用したユーザーが自社のファンになるようにするのがオウンドメディアの目的です。他の目的を持ったホームページでもオウンドメディア化することで成功している事例も増えてきました。
[掲載コンテンツ]
SEO対策を施して「商品・サービスの認知」を広げていくのがオウンドメディアの基本的な運営方法です。そのため、見込み顧客が検索すると思われる検索ワードを分析します。その検索ワードで上位表示できるコンテンツを作っていきます。
例えば、将来的に自社の商品・サービスが必要になると思われる見込み顧客が今悩んでいることを分析。「お役立ちコンテンツ」を量産し、そこから自社商品やサービスの認知度を広めていきます。
[キーポイント]
中長期的に顧客確保を目指すため、「作ったら終わり」ではなく「そのサイトを成長させていく」というスタンスで制作することが重要です。どの層をターゲットにするのかをはっきりさせ、伝えたい内容をわかりやすく伝えましょう。
8)ランディングページ(LP)
[サイトの目的]
商品やサービスの購入・申し込みをしてもらうことがランディングページの目的です。一般的には、インターネット広告やSEO対策で見込み顧客が検索するであろうキーワードで表示させてアプローチしていくことが多いサイトです。
[掲載コンテンツ]
ランディングページは、商品の購入をその場で促して決済まで誘導するページのことを指します。 プロモーションサイトは、サイト全体つまり多数のページに分けて商品のPRをしていきますが、ランディングページでは、1枚のページで商品の紹介から購入手続きまで、すべてを行います。
商品やサービスの購入・申し込みをゴールとしているため、「商品の紹介」「商品を使うメリット」「メリットが得られる根拠」「使用ユーザーの声」「購入を検討する上で出てくる疑問とその回答」「購入方法」など、1ページ内でさまざまな情報を掲載します。
[キーポイント]
成功するためには、ターゲットを絞ることが重要です。ターゲットとする年齢や性別・生活習慣、日頃感じている不安や不満などを徹底的に考え、ターゲットに刺さるキャッチコピーやターゲットが理解しやすい画像などを掲載していきましょう。
9)メディアサイト(専門型ポータルサイト)
[サイトの目的]
関連するお役立ち情報や業界についての最新情報を提供するのがメディアサイトです。代表的なメディアサイトで言えば、『SUUMO』『システム幹事』『弁護士ドットコム』などが挙げられます。
このメディアサイトを上手に使うことによって、お客さんの関心を上手に引いて、サービスサイトなどに誘導することができる特徴があります。ポータルサイトが広く認知された場合は、広告収入を得られたり、掲載料を徴収することも可能です。
[掲載コンテンツ]
ポータルサイトのテーマにそったニュースを配信するコンテンツや解説記事が必要です。テーマによっては、特定の業種に関わる企業情報を載せることもあります。運営するうちに情報が膨大になっていくため、検索機能の実装も欠かせません。
[キーポイント]
事業として成立するほどの大規模なポータルサイトを制作したい場合は、マーケティングが重要です。業種や地域に特化したポータルサイトはすでに競合企業が参入しているケースがあるため、優位に立つことは容易ではありません。
「主な目的+オウンドメディア」が求められる時代
あなたの作りたいホームページはどの種類かイメージがつきましたか? 現代のホームページに求められているのは次の4つです。
- 更新され続けていること
- SEOの上位に表示されていること
- 会社の雰囲気や顔が見えること
- 信頼できること
コーポレートサイトやプロモーションサイトは、どうしても更新されなくなってしまい、SEOでの順位がどんどん下がってしまいがち。またユーザーは専門家がおすすめした商品よりも、友達がおすすめした商品の方を購入する傾向があります。なぜなら、顔の見えない企業よりも、親近感があり、信頼できる企業の方が良い印象を持つからです。
そこでおすすめしたいのが、主となる目的に加えてホームページにオウンドメディアの要素を加えること。
例えばサービスサイトをメインの役割としたいなら、商品を紹介するだけではなくユーザーが知りたいと思う情報を一緒に発信するのです。そうすればSEOの順位アップも狙えますし、同時にブランディングもできてユーザーからも信頼を得やすくなります。
最終的には商品やサービスの購入、利用につながるため、ぜひオウンドメディアの要素を取り入れましょう。
まとめ
ホームページには一見同じように見えてもさまざまな種類があり、それぞれに異なる役割があります。ホームページを作るときは最初にその役割を決めることで、無駄な時間や労力をカットすることができ、ホームページ全体の軸も安定します。
近年、特に求められているのは、ユーザーの欲しい情報が載っている「オウンドメディア」の要素があるホームページです。今回ご紹介した9つの種類のホームページには、それぞれにオウンドメディア要素を組み込むことが可能です。
これからホームページを運営されるのであれば、役割を明確にしたうえでオウンドメディア要素も意識していくことをおすすめします。