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Google+ローカルで地域に根差したSEO

Google+ローカルで地域に根差したSEO

先日、Googleの地域情報サービスであるGoogleプレイスが、Google+ローカルに生まれ変わりました。

Googleは近年「地図」「ローカル」「パーソナライズ」といったテーマを重視し、より個人や地域にフォーカスできるような情報サービスを拡充しています。今回の変更もその一環で、SNSであるGoogle+に地域情報サービスのGoogleプレイスを統合することで、よりその施策を押し進めていく狙いがあるようです。本稿では、このGoogle+ローカルの具体的な変更点を見ると共に、中小企業の皆様にとってどのような可能性のあるサービスなのかを、考えていきたいと思います。

GoogleプレイスとGoogle+(プラス)

まず、前提としてGoogleプレイスについておさらいしましょう。Googleプレイスは、この連載でもお伝えしましたように、Googleマップの地図上に店舗等を掲載できるサービスです。Googleで何かを検索しているときに、地図上に赤い火の玉を逆さにしたようなマークを見たことがあると思いますが、その赤いマークをクリックすることで、さらに店舗などの詳細を確認できるようになっています。これが、Googleプレイスの情報です。

次に、Google+(プラス)ですが、これはGoogleの運営しているソーシャルネットワークで、簡単に言えばFacebookのようなサービスです。まだまだユーザー数は少ないようですが、その機能や利便性はFacebookにも勝るとも劣らないような充実ぶりで、併せて世界最大の検索サービスを誇るGoogleが運営者であることを考慮すると、今後大いにユーザーを獲得し、飛躍する可能性のあるサービスであると言えます。

さて、ではこのようなGoogleプレイスとGoogle+が今回統合されて「Google+ローカル」になったことにより、利用者であるユーザーにとってはどのような変化が起こるのでしょうか。

Google+ローカルでの変更点

Google+ローカルになったことによる、大きな変更点は、次の二つです。

  1. Googleの検索結果にGoogle+の情報が表示されるようになった
  2. Google+の画面に「ローカル」のボタンが出来た

まず、「1.Googleの検索結果にGoogle+の情報が表示されるようになった」に関してですが、実際の画面でご覧になるのが良いとおもいますので、Googleを開いて「sony」と検索してみてください。

すると、検索結果画面の右側の部分に、「地図」に加えて「Googleのクチコミ」「特徴」「その他のレビュー」などの情報が、かなり大きく表示されていると思います。これらが、Google+ローカルから転載されている情報です。いかがでしょうか。通常の検索結果に加えて、ひと目で分かるような部分に企業情報が載ることで、ユーザーの利便性が向上しています。「会社概要」などのページにアクセスせずとも、対象の企業や店舗の情報へすぐにアクセス出来るとしたら、これほど便利な機能はありません。

次に、「2.Google+の画面に「ローカル」のボタンが出来た」ですが、Google+のアカウントを持っている方はログインしてご確認ください。ご自分のアカウント画面の左側に新たに「ローカル」という箇所ができて、そこから地域情報をまとめて閲覧できるようになりました。あらかじめ自分の活動エリアを登録しておくことで、絞りこまれたエリアの情報が、簡単に見れるようになったのです。

このように、一般のユーザーも、Google+にアカウントを持っているユーザーも、Google+ローカルにある様々な情報にアクセスしやすくなっているのが、今回の変更の特徴です。

ユーザーの使い方

では、具体的にユーザーは、Google+ローカルの情報をどのように利用するのでしょうか。

まず、Google+を利用しているユーザーの場合、「ローカル」のボタンが出来たことによりこれまでと比べてそこにアクセスする回数が増えて、次第に企業や店舗の情報を自らクチコミとして投稿していく、といった使用方法が考えられます。なぜならば、ソーシャルネットワーク上での有益な情報発信は、自分のソーシャル上での評価を高めてより活発かつ有益なコミュニケーションが取れるようになるからです。そしていずれは、Google+を通じて発信されたコメントが蓄積されて、インターネット上に「検索結果」という形で拡散していくことになると思われます。

一方で、Google+を利用していないユーザーにとっても、より直接的な形で変化があらわれます。というのも、今後はGoogleで何かを検索した際に、必然的に、Google+ローカルから引用された情報が検索結果の目立つ位置に表示されるようになるからです。そして、ユーザーは好むと好まざるとに関わらず、Google+ローカルの影響を受けていくことになるのです。

つまり、今後のGoogle検索エンジンの利用においては、Google+ローカルの存在は無視できない大きなものになっていくことが予想されるのです。

店舗としての活用方法

このことは、逆を言えば、店舗や企業側にとってもGoogle+ローカルがSEO対策と同じくらい、重要な施策ポイントになることを意味しています。

なぜならば、Google+ローカルの情報が掲載される検索結果の位置は、画面の中で非常にクリックされやすい「一等地」にあたっているからです。検索結果上部のこの箇所は、通常、懸命にSEO対策をしてやっと勝ち取るか、あるいは予算を割いてリスティング広告を出稿しなければ掲載することの叶わない場所なのです。しかも、このGoogle+ローカルへの情報の掲載は、現在のところ「無料」となっています。

これを活用しない手はありません。さっそく会社名や事務所名などで登録を行い、表示できるようにしましょう。

まず、自分の会社や事務所名などを、Googleで検索をしてください。そうすると、次の二つの可能性があります。

  1. 既に右側に地図やそれに類する情報(Google+ローカル)が表示される
  2. 何も表示されない

「1.既に右側に地図やそれに類する情報が表示される」場合は、すでにGoogleの方で会社や事務所の情報を公式ホームページ等から転載する形で掲載を行なっているものです。この場合、次のようにして詳細情報を自社で管理して、掲載情報を修正することができます。

  1. 右側に表示された「地図」をクリック
  2. 企業名の右側にある「詳細」をクリック
  3. Google+の画面が表示
  4. 右下の「このページを管理」をクリック
  5. Googleプレイスに移動
  6. 詳細情報等を入力

という順番で情報を修正することができます。

次に、「2.何も表示されない」場合は、自分でGoogle+に情報を登録することになります。具体的には次のようなステップで作業を行います。

  1. Googleのアカウントを作成
  2. 「Googleプレイス」にアクセス
  3. 詳細情報等を入力してGoogleに申請
  4. しばらく後、「Google+ローカル」に反映される

Google+ローカルは、無料で利用できるサービスです。ぜひ、Google+ローカルに情報を登録して大いに自社をアピールしていきましょう。

※これら登録方法の詳細に関しては、次回以降の記事においてお伝えする予定です。

今後の展開/zagat社の情報

さて、これまで見てきたように、Google+ローカルは今後の検索結果に大きな影響を与える存在で、注目すべきツールとなっています。では、なぜGoogleはそれほどまでにGoogleプレイスやGoogle+ローカルに力を入れているのでしょうか。

それは、以下の二つの理由があるように思えます。

  • ローカルの情報を確保
  • Facebookへの対抗

まず、上の「ローカルの情報を確保」については、既に当連載でも触れたことがありますが、Googleがグローバルな情報を集め続けることにとどまらず、より人々の生活にマッチしたローカルな情報に焦点を当て始めたことを意味しています。なぜならば、いくら世界中の情報を集めたとしても、それをそのまま活用出来る人物は一握りであり、人は常に自分の生活範囲内の「地域情報」を必要とする機会の方が多いからです。

例えば、”ラーメン”という検索結果は情報として多すぎるので、人は通常”ラーメン 新宿”という検索の仕方をする必要がありますが、この”新宿”という地域性にスポットを当てて情報を選別・洗練させようとしているのが、現在のGoogleの方針であるように感じます。

次に、Facebookへの対抗という意味合いが挙げられます。Facebookは先日の株式上場に代表されるように現在、インターネット上で大きな注目を集めているサービスです。しかも、本国アメリカにおいてはGoogleのトラフィックを抜き去ってしまいました。検索サービスとソーシャルネットワークということで単純に比較はできませんが、Googleがその存在を意識しているのは間違いありません。そして、このことはまた、人々がグローバルな膨大な情報よりも、知人や友人の発する少量の情報(ソーシャルネットワーク)の方に価値を感じはじめたことに他なりません。

Googleもその意識を強めているからこそ、Google+というSNSサービスを開始し、さらにGoogle+ローカルに力を注いでいるのではないかと考えられます。

まとめ

今後の展望としては、Googleは「地域」「パーソナライズ」というキーワードを軸にしたサービスを拡充していくことは間違いなさそうです。例えば、Google+に関しては、レストランガイドのzagatサーベイ社を買収してそのグルメ情報を掲載することを進めています。このことは、同じくグルメ情報のメディアである食べログやぐるなびにとっては大きな競合となることを意味しています。今後、同じような形で、さまざまなメディアが担ってきた役割をGoogleというサービスがワンストップで解決していくような展開にもなりそうです。

このことはしかし、店舗や企業の運営者にとっては、大きなチャンスです。Google+ローカルは現在のところ無料です。これまで、ある程度の費用や労力を掛けて掲載していた自社の情報を、無料で検索エンジンGoogleの「一等地」であるGoogle+ローカルに掲載出来るようになれば、それは企業にとって大きなメリットを生むことは、間違いありません。この意味でも、Google+ローカルは今後、地域に密着した店舗や中小企業の皆様には必須のツールになりそうです。

当連載では、これからもGoogleのローカル戦略に注目し、「Gooogle+ローカル」についても最新情報をお届けしていきたいと思います。ぜひ、Google+ローカルをご活用いただき、集客の窓口を増やしていただければと思います。

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