インターネットX地域性=Googleプレイス
インターネット市場で今、もっとも注目を集めているキーワードのひとつが「地域性」です。
たとえば、検索結果と連動させて地図上に広告を表示させる「Googleプレイス」。またクーポンを時間制限で販売して店舗へ誘導する「グルーポン」。さらに現在世界中で大流行している「フェイスブック」など、いずれも実店舗や実名での利用に適した、地域性を持ったインターネットサービスです。
では、なぜそれほど今、インターネットで「地域性」が重視されているのでしょうか。
インターネットと地域性
インターネットは、基本的にグローバルな存在です。そこに垣根はありません。原則として世界中のどこでも、だれとでも、いつでも情報のやり取りが出来るのが特徴です。しかし一方で、ここ十数年間のインターネットの隆盛は、世界中のありとあらゆる情報が必要となる機会が、それほど多くはなく、膨大な情報はかえって不必要でさえあることを明るみにしてきたのです。
たとえば、今日の午後に美容院に行こうと思い、インターネットを使ってお店を探すとします。そのとき検索エンジンには、
- 「美容院」
という一語ではなく、
- 「美容院 調布」
- 「美容院 茅ヶ崎」
のように自分の活動範囲である「地域名」をフレーズに含めることが多いかと思います。それはなぜかと言うと、人はたとえば日本全国の広い範囲で美容院の情報を得たとしても、その情報はほとんど使用することはなく、お店を実際に訪れることが出来ないからです。
つまり、人はこのとき、自分の生活している範囲を検索フレーズに含めることで、自分にとって有益な情報を抽出しているのです。インターネットで「地域性」が重視されているのは、ここに理由があります。インターネットがもたらす世界中の情報の集積は「趣向性」「地域性」等のサブキーワードで選別してこそ、活きてくるのです。
Googleプレイス
そこで、Googleプレイスです。
こうした、インターネットにある課題を解決する形で、地域性に特化して提供されているGoogleのサービスが、「Googleプレイス」です。そこには次のような特徴があります。
- 地域で絞り込んだリーチが可能
- 地図上に掲載できる
- 通常の検索結果にも反映される
まず、情報にあらかじめ地域で絞り込みを掛けることで、検索ユーザーの行動半径の中へ、ピンポイントで情報を発信することが出来ます。それだけではなく、情報は常に地図を伴って表示されるため、一目で、お店や会社へのアクセス方法を視覚的に把握できます。さらに、以前はGoogleマップにアクセスする必要があったこれらの情報ですが、近年では、通常の検索をした際の画面にも表示されるようになり、より一層ユーザービリティが増しています。Googleは「Googleプレイス」によって、膨大な情報をさらに整理し、使いやすくしているのです。
このようなGoogleプレイスですが、さらに
- かんたんに登録できる
- 無料で登録できる(現在)
といった特徴があります。つまり、情報を掲載するお店の運営者側にとっては、ぜひ登録して利用したいサービスであると言えます。利用者の求めている「地域性を伴った情報の提供」をかんたんに、かつ無料(現在)で利用できるからです。
注目を集める「地域性」を持ったサービス
Googleプレイスの他にも、「地域性」を軸にした利便性の高いインターネットサービスがあります。
グルーポン
「グルーポン」は、クーポンを時間制限で販売して店舗へ誘導するフラッシュマーケティングという手法が話題のサービスです。地域で絞り込みをかけたページで、お店のクーポンを販売して実店舗への誘導につなげることが出来ます。クーポンの販売にあたってはもちろん設定した料金が必要となりますが、その時点で売上げを得られる点と、確度の高い来店に結び付けられるのが特徴です。
フェイスブック
「フェイスブック」は今話題のソーシャルネットワークサービスです。かんたんに言うと、自分や自分のお店の自己紹介ページを作り、それを通じてさまざまな人とコミュニケーションするツールです。登録する際には実名が基本で、さらに住所、電話番号等も入力することができるため、地域に特化した繋がりを作ることが出来ますし、自分でそうしたグループを作って参加者を募るような使い方も出来ます。また、広告出稿も可能で、さまざまな機能も常に進化をしてとまだまだ可能性を秘めたサービスであると言えます。
まとめ
このように、インターネット上では現在、情報の取得の仕方と、それに応えるサービスの形態が新しい段階に入っているようです。それは世界中の、無数の情報を、いつでも見たいといった要望ではなく、
- 地域性をもった、質の高い情報を、必要なときに得たい
というものに変わってきています。そしてそれを満たすのが、「Googleプレイス」「グルーポン」「フェイスブック」といった注目のサービス群なのです。インターネットでは、今後も地域性を伴った情報への要望が高まり、ますます情報のローカル化が進んでいくと思われます。
お店や企業等の運営者で、地域に特化した情報を掲載しアピールしていきたい方には、これらのサービスを始めることをお勧めします。なかでも「フェイスブック」に関しましては、本連載の「中小企業のためのソーシャルメディア入門」でも詳しく解説しておりますので、こちらもご参考いただけますと幸いです。