Google の「プライバシー ポリシーと利用規約の統一」で何が変わるのか
米国時間の2012年1月24日に、Googleが「2012年3月1日より、Googleのプライバシー ポリシーと利用規約の統一を適用する」と発表しました。
発表記事:Official Google Blog: Updating our privacy policies and terms of service(英文)
この新しいプライバシー ポリシーと利用規約の統一は、わたしたちにどのような影響を与えるのでしょうか。
[字幕付き]Google プライバシーポリシー アップデート
※字幕を日本語にするには、動画下の【cc】というボタンを押し、【キャプションを翻訳】を押して【日本語】を選択してください。
個人に合わせたより的確な検索結果や検索候補を表示する
いままでにも、Googleにはパーソナライズド検索というものが存在し、自分のGoogle検索履歴や閲覧履歴、そしてGoogle+の友人がお薦めするものがユーザー毎の検索結果に影響していました。
今回の新しいプライバシーポリシーの適用によって、ユーザー毎のGoogle検索結果に影響するものが、Gmail、YouTubeでの利用データなどにも広がります。
この適用によって、たとえばこんな影響が出ると考えられます。ここではAさんとBさんそれぞれの状況下における例でお話しします。
────────────────────────────────
Aさんの場合
Aさんは、iPhone4Sの購入を検討していました。そのひとはメールでApple社からの新着情報を受け取ったり、画像検索でiPhone4Sやケースの画像を探したり、Google+でiPhone4Sの情報を提供している投稿に対して+1したりしていました。
この状況でAさんがGoogleで「アップル」と検索すると、検索結果の1ページ目にはアップル社やiPhone4Sの端末、ケースに関するページや動画、画像などが表示されました。
Bさんの場合
今度はBさんの例です。Bさんは果物のリンゴに関する論文を書くために、多数の文献や動画、画像などを閲覧していました。このときのBさんの「アップル」でのGoogle検索結果には、果物の「リンゴ」に関するページや動画、画像が表示されました。
そしてBさんは、リンゴの論文を書き終えた後に自分の車の売却を検討しました。車の売却の情報を収集するために、検索をしたり、メールで知人に相談したりといった行動をしました。
この状態で、Bさんがもう一度「アップル」と検索すると、車買取のあの会社が上位に出てきました。
────────────────────────────────
当初からこうなるかはGoogleの発表からは読み取れませんが、この例のようなことが起こりうるのです。
ですから、今後はウェブ検索だけではなく、GoogleプレイスやYouTube、Google+などといった他のGoogleサービスでも積極的にコンテンツを公開することがさらに重要になってきます。
思い立った時に適切なGoogleサービスを簡単に使える
新しいプライバシーポリシー適用のもうひとつのユーザーメリットは、「サービス間を簡単に横断的に使用」できるというものです。Googleの発表ではまだ漠然としたものでしかなく、具体的にどうなるのかは示唆されていません。しかし「いままで使いたいところですぐに使えなかったものを使えるようにする」ということは間違いないようです。
たとえば、家族の絆を訴えるようなメールを読んでいて思わず家族でのイベントを計画したくなった時に、カレンダーですぐさま予定を立てAndroid携帯からイベントを家族に知らせ、Googleドキュメントのフォームを使って返信をもらう。というようなことであったり、YouTubeの動画を見ていて、誰かに共有したくなったときなどに、それぞれのGoogleサービスを横断的に簡単に使うことができるようになるというものです。
これまでも、Google Chromeの拡張機能などを使い、Googleサービスだけでは足りない機能を補完することで便利に使えていました。しかし、拡張機能は誰もが使えるような一般的なものではないですし、足りない機能もそもそもGoogleのサービス自体にあるべき機能なのです。しかしできて当たり前のことがサービスごとに利用データの取扱が分けられていることで出来なかったのです。その当たり前のことをできるようにするのも、今回の新しいプライバシーポリシー適用の目的のひとつなのです。
まとめ
2012年3月1日におこなわれるGoogle の「プライバシー ポリシーと利用規約の統一」によって大きく変わることは、
- 個人に合わせたより的確な検索結果や検索候補を表示する
- 思い立った時に適切なGoogleサービスを簡単に使える
ことです。
いずれもユーザーがより便利にGoogleのサービスを使うことができるようにするものですが、その中にはもちろん真っ向から勝負しているFacebookも視野に入っています。
Facebook云々については直接私達に関わることではありませんが、Facebookが世界中で認められている以上、Googleもその良いところを自社サービスに取り入れてくることは間違いありません。
ですから、私達の集客にとって大事なGoogle(そしてGoogleを使うYahoo)がどのような方向性を考えるかを、FacebookやGoogle+などのサービスを実際に体感し、見定めなければなりません。まだFacebookやGoogle+を使っていないかた、あるいはしばらく使っていないかたも、是非この機会に使ってみてください。
弊社でもFacebookページ、Google+ページを運営しております。ぜひご覧の上、「いいね」や「フォロー」をお願いします。