ホームページ作成の失敗例(1)
ホームページの作り方を学ぶ前に、まずはホームページを作る際によくある失敗例をご紹介しましょう。
当社には、毎月たくさんの相談が寄せられます。
皆さんホームページを自社のビジネスに活用したい、そう思って試行錯誤しているのですが、なかなかうまくいきません。
ホームページがまったくビジネスの役に立たず、放ったらかしになっている場合も少なくありません。
なぜ「ホームページが役に立たない」のか?
これがこの講座のテーマなのですが、その答えをお話しする前に、ホームページにおける典型的な失敗例をいくつかご紹介しましょう。
次の5つの事例をお読みいただきながら、なぜ「ホームページが役に立たない」のか、一緒に考えていただければ幸いです。
失敗例【1】知人にホームページを作ってもらう
東京都立川市で不動産会社を経営しているAさんは、開業時に知人のデザイナーにホームページを作ってもらいました。制作費用は10万円と、相場よりもずいぶん安くしてもらいましたし、ホームページを変更したい時はいつでも無料で更新してくれるという、大変ありがたい条件でした。
ただ残念ながら、ホームページが公開されて2ヵ月たっても、「ホームページを見た」という問合せはまったくありませんでした。そこでホームページの内容変更を、その知人にお願いしました。知人は快く応じてくれました。
しかし翌月になっても、何の変化もありません。Aさんは、それから何度かホームページの修正を知人にお願いしました。Aさんはホームページを使ってお客さんを少しでも増やそうと、必死だったのです。そしていつもその知人は快く対応してくれました。
でもホームページの反応は相変わらずの状態。
そうしたやりとりを半年ほど続けましたが、Aさんもだんだんと知人に頼むのが悪くなってきました。忙しい知人に無理を言って、修正を依頼すること自体に、気が引けてきたのです。
できればもっとネットに詳しい制作会社に依頼して、ホームページを作り直したいとも思いました。でも今まで協力してくれた知人に申し訳ないので、そういうわけにもいきません。
やがてAさんは知人に気がねして、ホームページの更新をほとんど行わなくなりました。その結果ホームページはあまりアクセスされることもなく、放ったらかしとなってしまったのです。
失敗例【2】電話営業の口車に乗り、高額HPをリースで作成
Bさんは、埼玉県でベアリング機械のメーカーを経営しています。
不況の影響で売上げが伸び悩んでいたため、ホームページを活用して新たな取引先を開拓しようと検討を始めました。そんな矢先、某一部上場のホームページ制作会社から売り込みの電話がかかってきたのです。
Bさんは、自他ともに認めるパソコンが大の苦手な経営者。そのため営業マンの提案がどれほど実現性の高いものか判断がつきません。
営業マンの提案は、総額305万円という大変高価なホームページ制作でした。難色を示すBさんでしたが、営業マンは、
「総額は高いですが、5年のリースを組みますから、月々の支払いはたったの5万円。毎月の広告費と思えば安いものですよ」
と、言葉巧みに説得してしまいました。
完成したホームページは、さすがにプロが作っただけのことはあって、最新の動画を組み合わせた高級感あふれる素晴らしい仕上がり。
でも残念ながら、ホームページからの問合せはまったくありません。
Bさんがあわてて営業マンに相談したところ、
「それではネット広告を利用しましょう。弊社にはネット広告がセットになったお得なプランがありますから、ぜひそれを利用してください」
との返事。その追加の広告プランが、月々7万円。毎月のホームページ制作費用の支払いが月々5万円ですから、それより高い費用がさらに必要だというのです。
そんなに高額な広告費用を支払うのは困るので、Bさんはホームページの修正を依頼しました。もっと反応がとれるように変更して欲しいと、申し入れたのです。
でも営業マンいわく、
「ホームページの修正には1ページあたり3万円いただきます」
とのこと。もし5ページ修正したくなったとしたら、総額15万円の追加費用を払え、という論法です。
さすがにおかしいと思ったBさんは、サービスの解約を申し込みました。でもそのホームページ作成サービスはリース契約ですから解約できません。営業マンに文句を言っても「そういう契約ですから」の一点張り。Bさんは結局、泣き寝入りせざるをえませんでした。
そして、見た目は格好いいものの、まったく反応がとれず、更新もできない、そんなホームページだけが残されました。
Bさんはまったく商売の役に立たないホームページに、これから毎月5万円もの費用を払い続けていかなければいけないのです。